表情 ページ40
『少し中見てくる』
｢ええ、気をつけて。Aだとバレないよう｣
『ありがとう』
レベッカと別れて、1人でコロシアムの中を回る
みんな、きっと、ドフィに反抗しただけの強い人たちだ、悪い人なんかじゃないんだ…
歩いていると、見た事のある武器に見た事のある帽子に見た事のある服を着た、金髪で髭とサングラスの男が見えた
『おーい、サボー？』
手をヒラヒラ振り、大声で声をかけるAに振り向くサボらしき男
｢なんで、俺の事…！｣
あっちは気づいてないらしい
サボは警戒した様子で、構えた
Aは髭とサングラスをずらした
『久しぶり』
｢A！来てたのか！会いたかったぞ！｣
『あたしも。そうだ、ルフィにはあったか？』
｢いや、まだだ、ってあいつも来るのか…！｣
『来るって言ってた』
少しサボの顔が暗くなった
『どんな顔して会えば、って思ってるでしょ』
｢…Aにはかなわねえな｣
『ふはっ、エースみたいなこと言ってる。いいんだよ普通のサボで。ルフィのお兄ちゃんなんだから』
｢そう、だな｣
『ほら』
Aが指さす先には金の兜を被り、髭をつけたルフィらしき人物
『ルフィ！』
｢おー！A！来てたのかぁ！｣
手をブンブン振って、駆け寄ってくるルフィ
サボは髭とサングラスを外した
｢ルフィ｣
｢………あ、あ、さ、サボぉぉぉぉ！｣
『良かったな、ルフィ』
｢｢A、ありがどお｣｣
『あたしは何もしてない。顔汚いから拭きな』
顔を拭いあう兄弟
｢サボ、俺の姉ちゃんだ｣
｢はは、そうみたいだな。俺たちの"きょうだい"だ｣
『ありがとう。なあ、知ってるか？賞品』
｢ああ。"メラメラの実"だろ｣
｢エースだ｣
『ルフィは能力者だから獲得できても食べるのはサボ』
｢エース…｣
『あたしも戦お』
ポツリとAが言うと、肩をガッと捕み、ダメだ！と首を振るルフィ
それに同意するように腕を組み、大きく頷くサボ
『ま、んなこと言ってもあたしは出る』
｢だろうな｣
呆れたように優しく微笑むサボ
｢俺と戦うかもしれねえな、ニシシ｣
『そうだな、その時は全力で行くよ』
頭の片隅に、レベッカが浮かんだ
まあ、Aには関係ない
彼女が実を獲得したのなら奪えばいい
Aの役目は彼女を生かすことだから
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作者名：ぽ | 作成日時：2021年8月16日 18時
