真実 ページ32
『あんなに白かった肌もすっかり綺麗になって、仲間もできて、医者になって…立派になったな、よかった。よかったよ、ロー。あたしずっと心配だったんだよ、病気がもっと酷くなってたりしたら…とか』
Aは目に涙を貯めて大きな瞳から今にも涙がこぼれ落ちそうだ
｢オペオペの実で体から珀鉛をだしたんだ｣
『治ってよかったよかった…ドフィとも縁を切ったんだな』
｢ああ。病気も全部、全部コラさんのおかげだ｣
『あーー!!』
｢声がでけえ…｣
隣で急に大声をあげるAに耳を塞ぎ、眉をしかめるロー
『ロシー、探しに行かないと、！』
｢行くな｣
『どうして！』
｢無駄だから！｣
苦虫を噛み潰したように苦しい顔をして、帽子を深く被り直すロー
『…何？』
｢俺のせいで、コラさんは…！｣
『死んでないよ、大丈夫』
相変わらずのケロッとした表情でローを見るAに、頭を抱えて俯き、項垂れるロー
｢やめてくれ…あの日のことは忘れねえ。忘れられねえ…馬鹿なことを言わないでくれ、Aさん…｣
これはきっと信じて貰えない
本人に会わないと、ローは信じてくれない
Aは困ったように眉を下げて口をふくらませる
『ローはまだここに残るんだよね』
｢Aさんは行っちまうのか？｣
座り込んだローが上目遣いで見てくる
『っ…ああ。あたしは先にドレスローザに行く。ここの気候があたしには合わねえからな』
｢そうか、寂しいな｣
『可愛い…』
昔はあんなに目付きがギラギラだったのに
大きくなって可愛くなった
｢あ？｣
前言撤回
『なんでもない。じゃあね、また！』
｢用が済んだら、また逢いに行く。Aさん｣
『うん、待ってるぞ！』
Aは手をヒラヒラ振りながら
パンクハザードを離れて、
飛び立っていった
｢っ、コラさん…俺…｣
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作者名：ぽ | 作成日時：2021年8月16日 18時
