吸血姫と呼ばれた少女II【ワンピース】 (ページ27)

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骨唄ページ27

｢Aさん、パンツ見せてもらっても…｣
『色はね～』
｢やめんか！えろ骸骨！Aは見せるな！｣

ナミに頭を叩かれるブルックとA

『｢～♪｣』

｢綺麗だわ｣｢素敵ね｣

歌が好きなAと楽器を弾けるブルック
2人の奏でる音色は人の心を弾ませる

今日の夜は2人で海を眺めながら音楽を奏でた

『ブルックは、なんで骸骨なの？』

静かな海を見つめながらこちらを見ずに呟くA

｢私はヨミヨミの実の能力者なんです。ご存じですか？｣

『うん』

興味無さそうに答えるAに、そうですか、とバイオリンに手をかけるブルック

『昔はどこにいたんだ？ずっとルフィと一緒じゃないだろ？』

これを聞きたかったのだろう
ゆっくりとこちらを見上げるA

｢ええ。ルンバー海賊団、ご存じですか？…音楽を愛する海賊団でした｣

語るブルックの声音は懐かしそう

｢Aさんは、動物と話したり出来ますか？｣

『え？うん。心を通わせようとすれば誰でもできるでしょ』

そんな事できる人間はAくらいだ、とブルックは思うが、Aはケロッとして答える

｢クジラは、？｣

『話したことないけど、イルカちゃんは出来たから出来るんじゃないかな。どうして？』

｢ラブーン｣

『ラブーン？』

｢私たち海賊団はラブーンと双子岬で別れました。偉大なる航路は危険だ、必ずまた会おうと。ですが我々は力尽き、私だけ生き残りました。ラブーンとの約束は果たせぬまま…｣

骸骨だから表情は見えないけど寂しそうであった

｢私はスリラーバークで影を奪われ、立ち往生していました。その時ルフィさんが来て、私を一味に加えてくださりました｣

『偉大なる航路を制覇して、また会いに行くのね』

｢はい。ラブーンと会ったと聞き、嬉しく思いました。ルフィさんは素晴らしい方です｣

『あたしもルフィが好きだ』

｢ビンクスの酒はご存知ですか？｣

『ああ。家族でよく歌ったよ』

暗い海を見ながらしんみりと答えるA
バイオリンでビンクスの酒を弾き始めるブルック

水平線が明るくなり朝日が登り始めてきた

『｢ビンクスの酒を届けに行くよ♪｣』

歌いながら涙を流す姿は儚く妖精のよう

一味のみんなも起きてきてみんなで歌う

涙なんてすぐに乾いて楽しい日常が始まった