吸血姫と呼ばれた少女II【ワンピース】 (ページ23)

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医者ページ23

｢もうこんなことするんじゃないぞ！｣
『あはは！ごめんごめん』

Aが敵と交戦した時に作った傷をチョッパーは治療してくれる

｢ほんとにわかってんのか？｣
『何も考えずに突っ走ったからでしょ？』

Aはヘラヘラしてるから分かってないようでチョッパーは聞いてみた

Aはよく言われてたの、と寂しそうな顔をする

｢…大丈夫か？何かあったのか？｣
『ううん。なんでもないよ。思い出しちゃっただけ』

チョッパーの頭をポンポンと撫でる
どこか大人びたAはきっと色々なことを抱えてる

"おれは医者だから聞いてやらねぇとな"

｢おれは医者だから悩みは聞くぞ！｣
『心のお医者様？』

｢ああ！この船の船医だからな！｣
『あなたの先生は誰？』

｢…ヒルルクとくれはってやつなんだけど…｣
『ああ、桜の綺麗なところであったことがある』

｢知ってるのか?!｣
『ええ。海軍時代に勝手に遊びに行っては色々教えてくれたよ、帰ったら怒られてたけどね』

ふふっと笑うAは懐かしい思い出に思いを馳せてキラキラしている

｢もう、いないけどな…｣
『知ってる。聞いた。くれはちゃんから』

そう言うとぎゅうっと抱きしめてくるA

｢お、おい！A！どうしたんだ！｣
『チョッパーのせいじゃないからね！分かってる？』

｢聞いたのか？｣
『毒キノコあげたんだろ?でもそれじゃない、ヒルルクちゃんは、そんなんで死ぬような人じゃないもん…』

｢うぇ…｣

チョッパーの目からはいつの間にか涙が溢れていた

『彼のことは忘れちゃダメよ、忘れなかったら胸の中にずっと生きてるから』

｢当たり前だ！おれは、立派な医者になるんだ｣

『その意気だ！あたしも少ないけど医療知識あるんだよ？』

｢そうなのか！｣

『マルコにも教えてもらったことあるし、ローのことも調べたし。今頃元気かなあ』

強く吹く風に目を細めるA
それはどこか嬉しそうで寂しそうだった

｢マルコ?ロー?｣

『白ひげ海賊団の不死鳥マルコ。医者なの。たぁっくさんいるあの船のみんなの体調を管理してた。ローは病気だった。今は…わかんない』

｢へえ！会ってみたいなあ！｣
『いつか会えるよ。生きてるから』

あたしも会いたいから勉強する！と、2人で医療の勉強をするのが日課になった