吸血姫と呼ばれた少女II【ワンピース】 (ページ21)

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蜜柑ページ21

『ノジコは元気？』

｢…え？なんで、知ってるの？｣

みかんの木の下で日向ぼっこをしていると
木からひょこ、と顔を出しAが話しかけてきた

何を言うかと思えばノジコのこと

この子に自分の名前と航海士だということしか伝えていないはずだからナミは驚いた

『あたし、昔ベルメールの所に遊びに行った時、まだこんなに小さいナミとノジコを知ってるよ？まさか忘れられた…？』

自分の腰くらいに手を当ててこのくらいかなーっとするA

少し悲しそうな顔をするけど覚えている

｢ああ…！思い出した！全然見た目変わってないのねえ…｣

『ふふ。ベルメールは？海賊になるの反対したんじゃない？』

自分の顔がサーッと青くなるのがわかった

Aが心配そうに顔を覗き込む

気まずくなって下を向いてしまう

｢…んだ｣

『え？』

｢死んだの…！｣

ナミは涙が出てきそうだから俯いたまま叫ぶ

アワアワするA

『ごめんね。そんな顔させるつもりじゃなくて…ただ…確かめたかったの…』

フワッとナミを抱きしめるA
ナミよりも小さいのに大きくて暖かい

ああ、こんな風に抱きしめてくれたっけ、ベルメールさんも…

｢ありがとう、A。ごめんね、取り乱したわ｣

『いや、あたしが聞いたのが悪かった。ベルメールとナミはどことなく似てるな！血は繋がってないはずなのに…』

不思議そうに顎に手を当てﾌﾑﾌﾑとするA
そんなに可愛い顔で見てくるから、ナミはぎゅうっと抱きしめてやった

｢もぉ！可愛い、A！｣

『うぉぉ！苦じぃ…』

｢みかん、食べる？｣

『食べる！』

隣で美味しそうにみかんを頬張るAを見てると、ベルメールさんもこんな気持ちだったのかなぁと思う

Aは元々海軍だったと言っていた

ベルメールさんのことをもう少し知りたい、と思いながらAとナミは2人で日向ぼっこをしつつ眠りについた

Aは半信半疑だったのだ、ベルメールの事を

確かめたかった

それに、その時にはもうドフィの所にいたから助けに行けなかった

ずっと後悔している

だが、死んだと思ってたナミとノジコが生きてて嬉しかった

ベルメールを救えなかったのなら彼女を守ろうと先に眠りについたナミを見ながら思う

2人は元気だよ、ベルメール
そっちから見ていてね