家族 ページ11
船を少し待機させていると、親父たちがきた
『あ…見て。あれがあたしの家族だ』
ファミリーのみんなをモビー側に寄せ、大きな船を見上げる
｢大きな船!!｣｢すごぉい！｣
はしゃぐちびっ子を横目に改めて家族を誇らしく思うA
『親父！マルコ！皆！』
大声で白ひげ海賊団を呼ぶと、柵からみんなが乗り出してくる
｢グララララ、A、いつの間にそんなに子供が出来たんだ?｣
『あたしのファミリーよ。みんな人間オークションで助けた子達なの』
Aの一言で海軍も海賊もザワつく
"やはり、吸血鬼が人間オークションを荒らしていたのは本当だった"と
｢どうせそういうことするのはAだろうと思っていたよぃ｣
『へへ、吸血鬼って呼ばれてんのはあたしくらいだわ。みんな強いから連れてきた。覚悟がある子達よ、心に獣を飼っているのよ。それに、私のファミリーだから、白ひげ海賊団の一員でもあるの』
ドヤ顔で語るAはどこか幼く感じるが、2年前よりも成長している
｢グララララ、そうだなぁ、また家族が増えたぞ｣
親父の一声に歓喜の声が上がる
ファミリーも歓迎されたと悟り、嬉しそうに顔をほころばせる
｢Aさんの、家族…｣
｢すっごいお髭！｣
｢あの人フランスパンを頭に乗っけているわ！｣
｢アイツパイナップルみてえだ！｣
｢綺麗な人だわ、素敵！｣
ファミリーの声は異様に大きかった
｢グラララ、今度髭を触らせてやろう｣
｢約束だぞ、おっさん！｣
『おやじよ！』
｢ああ、約束だァ｣
親父は約束を破らない
この戦に勝つ気だ
家族が揃わねば
我々は勝てる
｢全部聞こえてるよぃ！｣
｢フランスパンじゃねえよ！｣
｢ふふ、褒めてくれたようだな｣
｢お前とオヤジだけだ、！｣
『フランスパンは髪を降ろしたら、色男よ。髪型のせいであんな感じだけどね』
｢おい、A！俺の事なんか言っただろ！｣
『かっこいいでしょう、と言ったのよ』
｢もっと長かったじゃん！マルコ〜Aが虐める！｣
｢うぜえ｣
『今度この子達に稽古をつけてやってよ』
｢｢｢｢｢もちろんだ！｣｣｣｣｣
｢本当に！｣
｢約束よ！｣
｢｢｢｢｢俺たちは約束は破らねぇ！｣｣｣｣｣
『この戦に勝って、その約束、果たすのみ！』
｢｢｢｢｢｢｢｢おう！/はい！｣｣｣｣｣｣｣｣
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作者名：ぽ | 作成日時：2021年8月16日 18時
