吸血姫と呼ばれた少女【ワンピース】 (ページ50)

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世界ページ50

Aの発表から数日後

『ふぅ、こんなもんね』

｢おいおい、A…いくらなんでも荷物が少なすぎるだろ？いいのか？｣

『これで、いいの』

Aは胸にぶらさがっているペンダントを愛おしそうに眺めてキスを落とした

そこにはふたつの家族の写真が入っていた

今は亡き国の家族と、自分を娘と呼んでくれた海賊の家族

懐かしい歌が聞こえるオルゴール

本当はそれさえあれば良かった

だけどみんながほとんどしてくれた荷造りは服やらなんやらが色々入っていた

過保護だなあと、呆れつつ、みんなに感謝した

『今までありがとう。あたしに居場所をくれて、あたしを愛してくれて、ありがとう!!じゃあ、行ってきます！！！』

白ひげ海賊団の一人娘は今日、この船を出て新しい世界を見に行く

｢｢｢行ってこーい！｣｣｣
｢｢｢元気でなー！｣｣｣
｢｢｢何かあればすぐ帰ってこいよー！｣｣｣
｢｢｢だいすきだよ！｣｣｣
｢｢｢達者でなぁ！｣｣｣
｢｢｢A!!!｣｣｣
｢｢｢愛してるぞ！｣｣｣

Aが見えなくなるまで白い大きな船の、甲板でみんなは手を振り続けた

Aはそんな家族を愛しそうに目を細めて眺めた

Aの旅が始まる
どんな人に出会うだろう
どんなことが起きるだろう

楽しいこと苦しいこと辛いこと嬉しいこと

色々あるだろう

めげない
前を向いて
意志を貫こう

自由を愛を

あたしはA

ドラキュラ・D・A

吸血鬼

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Ⅱに続きます