吸血姫と呼ばれた少女【ワンピース】 (ページ5)

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恐怖ページ5

Aは飛んだ

不慣れな羽を使って海の上を泣きじゃくりながら

何日飛んだだろう

疲れて、もう飛ぶことが出来なくなってきた

見えた島に降り立った

お腹がすいて、少し歩くと街の人がAのことをジロジロと見る

1人ぼっちのボロボロな可哀想な少女が気になるのだ、ここの町の人は優しい心の持ち主だった

それに、Aが気づくはずはない

心はさすがに読めない

"殺せ、吸血鬼を、ドラキュラを滅ぼせ"

Aにはその目は恐怖でしか無かった

かつての王国で言われた言葉がこの人たちにも言われているようで恐ろしくなり、耳を塞ぎ、道を裸足で、ボロボロになったドレスを着て、俯いて、走った

ドンッ

『うぁ…!!!ひっ！』

ぶつかったのは大きな人

『あ、ご、ごめ、ごめんなさいっ』

すると、手が伸びてきた

殺される、もうダメだ

Aは頭を抱えて地面に伏した

『わ、私は、吸血鬼なんかじゃ…！人を食べたりなんか、殺したりなんかしてない！ごめんなさい、ごめんなさい…殺さないで…』

震えるAの頭に大きな男はぽんと手を置いた

｢おうちは？｣

できるだけ優しく、怖がらせないように大きな人はAを抱き抱えた

『ない…お母様もお父様も、もう、会えない…』

Aは小さく男の腕の中にすっぽりと収まり、ﾋｯｸﾋｯｸと泣いている

ボタボタと大粒の涙がAの頬を濡らす

男は服に涙が染み付くのをなんとも思わず、憐れだ不憫だと優しく抱き抱えた

｢そうか…共に来るか？海軍に。｣

『かい、ぐん？…うん』

海軍が何かわからないが
とりあえず返事をした