海軍 ページ31
｢親父、入るよぃ｣
『おじゃましまぁす。まあ…』
中にはAが見上げなければならないほどの大きくて髭が特徴的な人がいた
｢グララララ、名前は？｣
『A。アンタは？』
｢！知らねぇのかお嬢ちゃん｣
『見たことはある気もするし、ない気もするけど…だれなの？』
｢白ひげって知ってるか？｣
『よん、こう、の…？知ってるよ！私海軍だもん！』
Aと名乗る少女は、ぴょんぴょん跳ねながら『凄い凄い』とはしゃいでる
マルコは聞き逃さなかった
この少女、Aは今"海軍"と名乗った
｢おい、A。今海軍って言ったか？｣
『ああ、元、ね？海軍の私は死んだし。そんな怖い顔しないでよ。私海軍のこと恨んでるの。あんなとこ、戻りたくないし、アイツら嫌い』
そうキッパリと言い切ったAは清々しく顔で口元に弧を描いてすましていた
目は死んでいたが
ああ、何かあったのだろう
それ以上は聞くまい
マルコは睨んでいた目をほっとしたように戻す
Aだって、みんな嫌いな訳では無い
好きな人も、何人かだけいる
｢グラララララ、A、俺の娘にならねえか？｣
『｢はぁ？？？｣』
『娘?娘ってどういうこと?私、』
困惑するAの横で頭を抱えるマルコ
｢白ひげ海賊団は大家族なんだ。船員はみんな家族。わかるか？｣
『？なにそれ、面白そう！私、娘になる！』
｢親父？！いいのかよぃ？！｣
｢グララララ、面倒見てやれ、マルコ｣
｢いや、そういう訳じゃなくて｣
『親父さん！ありがとう！』
ニコニコと笑って親父に飛びつくAは不思議と悪い子には見えなかった
『お髭が素敵ね、親父さん』
｢親父、だ｣
『ぱーぱ♡』
｢グラララララ、こいつめ｣
｢はぁ…｣
マルコはもう既にAにメロメロな白ひげに大きくため息をついた
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作者名：ぽ | 作成日時：2021年7月13日 0時
