吸血姫と呼ばれた少女【ワンピース】 (ページ17)

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何処ページ17

｢おい、女!!!吸血鬼!!!｣

『あたし、の、こと…?』

"吸血鬼"

そう呼ばれるとは思っていなかったAは驚きを隠せず、ワナワナと震えて自分を指さす

そんなに知れ渡っていたのか、その名は…
と落ち込むと同時に誇らしくも感じた

だが、吸血鬼だと知っているなら手配書を見ているはずだ

そこに名前はあっただろうに名前を呼ばないとはなんという男だ

｢当たり前だ、お前以外に居ない｣

『てめぇ、なんて呼び方を!!!名前知ってんなら
ﾊﾞｼｯ)うぁ!!!』

｢早く来い！｣

『ﾁｯ』

髪を引っ張られ、急にパッと視界が明るくなり、クラっとする

｢本日の目玉商品！宝石のように輝く髪、赤い目！白い肌！あの、懸賞金8000万！吸血姫、A！｣

『ﾁｯ)女女って言いやがって…』

｢まず300万から！｣

気持ちの悪い視線、うるさい司会、手元の鎖…

イライラしてしかめっ面をしているAの値段はどんどん上がっていく

｢2億！2億だ、2億出す｣

ザワザワ…

会場にいる老若男女全てが驚く

それはAも例外ではない

大きい目をさらに大きく、口をポカーンと開け、思わず声が漏れた

『…は?』

2億と言った男はブロンドの短髪に変なサングラスにピンクのもふもふ

そして、ニヤニヤしている…

見覚えのあるその姿はロシーの実兄では無いか、とAは手を丸にして、目に当てて、その空洞から彼…ヤツを凝視する

｢に、2億が出ました！他には！…居ない！2億、2億でお買い上げです！｣

『うそ…』

Aは自分を買った男をとびきり警戒した

ロシーに聞かされていた通り怖そうな人だ

｢おら、さっさと歩け。新しい主人だ早く行け｣

『お前、何様だ、殺すぞ』

Aが男を蔑んだ目で睨む

その好戦的な目が気に入らなかったのか、男は拳を振り上げる

｢この女！｣

｢おい、やめろ、これは俺のモノだ｣

Aは目をぎゅっと瞑るが、男の拳をピンクのモコモコはパシッと掴み、Aを殴るのを止めた

Aは恐る恐る目を開ける

男の手首をギリギリと閉めるピンクモコモコは
Aを庇ってくれた

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オークションはあるということにしといてください