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「さくらのうた。課題曲のやつ。吹ける？」
『わかった。最初から最後まで？』
「出来るなら」
『頑張ってみる』
この曲は吹奏楽曲だから、全てのフレーズを吹くことは不可能だけれど、主旋律だけなら何とかなるかな
私はこの曲、小高い丘にそびえ立つ、1本のとても大きなさくらの木のイメージだ。
ちなみに江戸時代からあるという設定。
昔から待ち合わせ場所として、シンボルになっていた大きなさくらの木。
時には子供たちの。時には恋人たちの。
さくらの木の前では色々なことが起こる。
出会い。そして別れだって。
やがて夏になり、秋になり。
この季節になると人は寄り付かなくなり。
今度は動物達の憩いの場となる。
冬になると、ひとりぼっち。
それでも温かみがある。
ホルンとトロンボーンが本来は吹いているところだ。
特に優しい音色を意識する。
そしてまた春が来る。
出会いと別れがある。
それとは関係なく盛大に咲き乱れるさくら。
その姿に感動を覚える人たち。
そうやってひっそりと、現代まで咲き続けているさくらの木の物語。
『どうでしたか』
「……すげぇ」
感動してもらえたようで何より。
『えっと、その、』
「国見。国見英。来年から比奈宮さんの学校の後輩。」
『そうなんだ。国見くんはこの曲、どういうイメージ？』
「俺は卒業式のイメージですね。宮城ではこんな季節に桜は咲かねえけど」
なかなか感動してくれているように見える。
心ここに在らず。
どこか上の空って感じだ。
『国見くん、海の男達の歌、吹ける？』
「えっ、あのソロの部分かよ……」
『うん。あのフレーズ、国見くんの音色で聴きたい』
月明かりが反射する夜の海。
はるか遠くの港の音が時折響いて聞こえてくる。
船の上では男達がぐっすりと寝ている。
静かに凪いでいて。
雲ひとつなくて。
『素晴らしい……』
「……ありがとうございます」
お互いに吹いて欲しい曲を言い合う。
そして吹く。
しばらく続いた。
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さくらのうた。
福田洋介さん作曲。
2012年度吹奏楽コンクール課題曲。
この曲は色々な解釈ができると思う。
海の男達の歌。
ロバート・Ｗ・スミスさん作曲。
金管楽器、とてもしんどそう。
どちらも素晴らしい曲です。
ぜひ聴きながら読んでみてください
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まる。(プロフ) - ヴェロニカさん» は、初コメ……！ありがとうございます！”ぬくめる”って、関西弁だったんですね……。言われてみれば、確かに標準語らしくない気はします。中学二年編、まだまだ続きますので、今後ともよろしくお願い致します！ (2020年6月12日 0時) (
レス) id: c8c8a309a0 (このIDを非表示/違反報告)
ヴェロニカ(プロフ) - 初コメです！せんたっきとかすいぞっかんのこと言われて初めて気づきました！私の育ちはバリバリの関東なんですが母方の両親が関西の人ってこともあって無意識になまってるらしいんですよ。(ぬくめるとか)言われてみたら気になりますね！更新楽しみにしてますね！ (2020年6月12日 0時) (レス) id: 93cd0ce6c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まる。 | 作成日時：2020年5月24日 0時
