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自分に割り当てられた部屋は他の寮生とは違ってやけにこぢんまりしている。
清潔なベッドと、簡素な勉強机、備え付けの棚、クローゼットでいっぱいになる自室。
しかし私は大いに満足している。
なぜなら、"一人部屋"だからだ。
私の両親が、女であるという事実がバレるのを恐れ、学園側に口添えしたに違いない。
あぁ、"裏口入学"で良かった。
私は静かにほくそ笑む。
自室に届けられていた荷物のトランクを開け、然るべき場所へと手際よく収めていく。
衣服はクローゼット。教科書は机。本は棚。
"人体の不思議"、"人間の体解剖図"、"解剖専門書"、"魚の上手な捌き方"、
揃えた本はどれもこれも分厚くて、重量のあるものばかり。
でも私にとっては、聖書よりも価値がある本なのだ。
持ってきた荷物は新しい場所へ落ち着き、トランクは空になった。
しかしこのトランク、実は二重構造になっている。
私はゆっくり底を外し、暗闇に押し込められていた物を取り出す。
現れたのは黒い革張りの長方形の箱。
そこに納められているのは特注のナイフだ。
私の宝物。
銀色の刃に指を添え、そっと明かりに翳すと、それは美しく輝いた。
お父様、お母様。
私はあなた達を恨んでいる。
私は女の子として生きていきたかった。
ズボンではなくスカートを履きたい。
ベリーショートでは無くロングヘアがいい。
僕、ではなく私と言いたい。
男子校ではなく女子校に通いたい。
でも一つだけ。
お父様とお母様に感謝している事がある。
それは、私にナイフを握らせてくれたこと。
…お父様は狩りが唯一の趣味だった。
ピカピカに磨いた鉄砲を担いで森に出向き、鹿や猪を頻繁に狩った。
ぐったりと力なく倒れている戦利品を前に、お父様は私にナイフを差し出した。
｢お前が解体して見せなさい。｣
震える小さな手にナイフを握り、まだ温もりが残る動物達のお腹に、鈍く光る刃を突き立てたあの時の興奮…。
今日まで、私の脳に深く刻み込まれている。
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ランカスター(プロフ) - レオンさん» コメントありがとうございます！！お気に召していただけたようで何よりでございます♪ ジェイドのみ副寮長、ご指摘の通りですね！見直してみて気づきました…。ガバガバで申し訳ないです 笑 コメント下さり本当にありがとうございます！ (2021年1月4日 10時) (
レス) id: d91d53123f (このIDを非表示/違反報告)
レオン(プロフ) - すごく内容好きです....!!!!!ｳｯ...！！オクタの副寮長はジェイドのみだと思います...！ (2021年1月3日 8時) (レス) id: 8a19b2b241 (このIDを非表示/違反報告)
ランカスター(プロフ) - mitoさん» コメントありがとうございます！！ジェイド最推しの方にお褒めいただいて嬉しいです♪書いてて自信が持てますし、とっても励みなります！どうぞ、最後までお付き合い下さいね！ (2021年1月2日 22時) (レス) id: d91d53123f (このIDを非表示/違反報告)
mito(プロフ) - 更新頑張ってください！ (2021年1月2日 21時) (レス) id: ebda06392e (このIDを非表示/違反報告)
mito(プロフ) - ジェイド先輩が最推しなので最高です！大好きです！愛してます！！更新あ (2021年1月2日 21時) (レス) id: ebda06392e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ランカスター | 作成日時：2020年12月16日 15時
