大人になったら (ページ44)

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練習はジェノに任せ
私は宿舎へ向かった

「マクや、ドンヒョガの様子は？」

MK「それが、大丈夫何でもないの一点張りで...あいつ結構頑固なとこあるから...」

ドンヒョクは学校での出来事を知らないヒョンに心配をかけたくないんだろう

普段おちゃらけてるけど、
そういう変な所に気が回る子だ

「分かった。私が話してみるから、マクありがとうね」

マクは「後はヌナに頼みます」って言って
事務所に戻って行った

「ドンヒョガ、入るよ」

部屋をノックしても返事が無いので
入るよ、ともう一度ことわってからドアを開ける

HC「大丈夫だって言ってんのに...」

ベッドに寝転がって私の方にちらりと目を向ける

これは相当弱ってるな...

「ドンヒョガ...」

HC「あー、調子悪いからちょっと苛立ってただけ、明日には戻るから」

「ジェノに聞いたよ学校でのこと」

少し間を開けて、ため息をついた

HC「ジェノのやつ...口止めしたのに...」

「あんた達、言い返さなかったんだってね。偉いよ正しい判断だった」

ドンヒョクは寝転がったまま
私に背を向け直し言葉を続ける

HC「あいつらの言うことは正しいよ。一生懸命時練習したって成功しない人はたくさんいる。デビューが約束されたような人だって、駄目になっちゃう時は一瞬で駄目になっちゃうんだよ。夢追いかけて馬鹿みたいだって思われても、仕方ないよ...」

次のデビューはAだなーーー。

A、期待してるぞーーー。

周りにそう言われ続け
自分はいつかデビューすると思っていた矢先に
その道が絶たれた私には
伝わりすぎるほどの痛みや葛藤だった

練習生期間は見えないゴールに向かって走り続けなければならない

そしてそれを耐え抜いてデビューしたからといってその後の成功が約束されるとは限らない

そんな過酷な世界に
今この子達は若くて無垢な状態で飛び込んでいる

「ドンヒョガ」

そんなこの子達に
夢絶たれた私だからこそかけてあげられる言葉は...

「あんた幸せ者だよ」