大人になったら (ページ1)

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夢の終わりと始まりページ1

私には叶えられなかった夢がある。

夢を叶えられなかった人はたくさんいるけれど
叶えられる人はほんの一握り。

夢を叶えられなかった私は、

７人の少年に自分の夢を託すことにした。

―――――――――

「もう踊れない…ですか？」

医者「激しい運動は控えなければいけません。ダンスを職業とすることは難しいです。」

ずっと目指していたアイドルになれなくなったのは中学生の時。
ある理由で足にひどい怪我を負ってしまい、
普段の生活に支障はないものの
アイドルの命とも言えるダンスが出来ない足になってしまった。

私にとってダンスを失うということは何よりも辛く、
生きる意味を失ってしまったような感覚だった。

しばらくは途方に暮れてふさぎ込み、
レッスンで元々充分に通えていなかった学校には更に通えなくなって
遂には完全に不登校になってしまった。

もう死んでしまいたい
もう夢なんて忘れたい

そう思っていた矢先、
練習生として所属していた事務所の社長さんから呼び出された。
クビだと思った。

重い社長室のドアを開け、
社長に促されるまま向かい合うソファに腰をおとす。

社長「ごめんね。こんな時に呼び出してしまって」

「いえ、それより御用って…」

社長「ああ、Aくんはまだダンスは好きかね？」

「…はい。でも私はもう…」

社長から突拍子もない質問がきて驚いた。
もちろん好きだけどこんな時に何故そんな質問をするんだ…

社長「君の叶えられなかった夢を、ある子達に託してみないか」

「え…？？」

さらに謎な言葉が飛んできて私の思考回路はショートした。