カフェ・ジャンプ〜光に手を伸ばして〜

・こまとひかる ページ9

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Hikaru side


コマがカフェ・ジャンプに住むようになって、そろそろ1ヶ月以上が過ぎようとしていた。


ーーー光君、ちょっと来て？


と、コマに言われて連れて来られたのは裏庭。


少し前に彼の手によってここは改造され、元々はただ緑ばかりの庭だったが、今は赤白青などの薔薇が咲いている。庭というより薔薇園だ。


……所々にサボテンがあるのが気になるが。


「ちょっと、じっとしててね」


俺の肩に手を乗せそう言ったきり、コマは固まったように動かなくなった。つられて固まった俺だが、この状態は5分続いた。


ふっ…と息を吐いて手が離される。


「……どうしたんだ？」


「あーっと、んね…。今は誰もいないし、言ってもだいじょぶかな」


「誰かいたら困るのか？」


「おれじゃなくて光くんがね」


ーーー封印、解けかかってるのわかってる？


一瞬何のことを言っているのかわからず首をかしげ、直後その意味を理解し息を飲んだ。


「……っ!?」


「んー、やっぱ気付いてなかったかー」


「んな、なんでそのこと…っ！」


「……ん？」


驚く俺を尻目に、こてんっと首をかしげたコマ。なんでそんなきょとんとした顔なんだ、きょとんとしたいのは俺の方だっての。ふっ…と微笑んで彼は言った。


「クン・ファンドゥの施した闇の封印魔法なんて、すぐ見抜けるよ？」


「っっっ……!?っえは!?」


「えはって…なにそれ？」


「そ、そそ、そんなことどーでもいんだよ！なななんでお前がクン叔父さんのことを……!?」


驚愕に驚愕が重なって思わず変な声を出してしまったが、今はそれどころじゃなかった。だから大声を出してしまった。


ーーーこれが、誰にも聞かれたくなかった話だと言うことがわかっていたのに。


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