カフェ・ジャンプ〜光に手を伸ばして〜

・かまいたち ページ26

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ガサリ、と音が鳴った。宏太にはわかった、魔物が近くにいるのだ。光の運魔法で気付いてはいない。だが『どこにいるのかわかっていない』だけだ。匂いで人間がいることはもう気付かれているだろう。


そうなると魔物は無造作に攻撃をしだす。


『ガアアッ！！』


大きな鳴き声とともに、魔法の発動を感じた。魔物も魔力を持つ生き物なのだから、こうなることは当たり前だった。しかも、運悪くその魔物は風属性を持っていた。


大量の鎌鼬 (かまいたち) の魔法が放たれた。


「っ！ひかるしゃがめ！」


とっさに光の首を掴みそれを避ける。宏太の魔法では風魔法は止められない。植物が切られて終わりだ。対抗できる光魔法は、防御系魔法が苦手な光にはこれは防げない。


逃げられない。


そう思った。


また鎌鼬が放たれる。今度はそれを横に飛び退いた。避けきれず植物を盾にする。しかしそれも真っ二つに斬られてしまった。


「ま、魔物……！？なんでここに！」


「バカ！運魔法は『俺たちが見つからない』っていう条件で掛けたんだろ？『魔物がここに来ない』ってやったんじゃない！それに姿が見つけられないのに人間の匂いがする場所で、魔物が理性を保っていられるわけがないだろ！」


そんなこともわかってないのか！と思わずキツイ言葉で叱責してしまう。その間にも、その場しのぎの盾を使って鎌鼬の魔法を放つ魔物から逃げ惑う。


どうしよう、どうしようどうしようどうしよう。


ーーーどうすれば、光を逃せられる？


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