検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:91,597 hit

・つう"ぁい ページ20

ー→


ーーー話は変わる。


クン・ファンドゥと言う男がいた。彼も三乙女の分家の人間である。ーーー否、分家であることすら拒まれ、すでに戸籍のない人間であった。


クンは成人前に家を追放され、それからはずっと森の中で暮らしていた。そこには、クンが引き取った宏太も共に住んでいた。


彼は追い出された身でありながら、やはり三乙女は世間体を気にする。月に一度、定期的に三乙女の本家へ出頭命令が下されていた。


ーーーツヴァイ、とは。深紅のオウムのことである。クンの使い魔だ。三乙女の家にはただのオウムだと説明しているが、実は魔力を持った "魔物" である。ちゃんと自我と意思もある。


ツヴァイは三乙女の本家へは入れない。魔物を拒む結界に阻まれるからだ。しかし、そんなツヴァイにも唯一入ることができる場所。


それが、屋敷の短い通路を挟んでたった1つある、一番端の部屋ーーー光の部屋である。


自我がちゃんとあるツヴァイには自身を傷つけない魔力を感知することができる。そうやって見つけたのがそこだった。


《クー》


「……?どう、ぶつ……?とり…?」


オウムを見たことがなかった光には、それが恐怖だった。ツヴァイも見知らぬ人間に懐きはしない。お互い、部屋の違う隅で固まっていた。……ツヴァイはただそこで休憩をしていただけだが。


《クー?クー!》


しばらくして、いきなり激しく鳴き出したツヴァイ。それに光が驚いていると、その部屋のドアが開き始めた。


やばい、あの3姉妹にこのオウムが見つかれば光自身もオウムもどうなるかわからない。光は急いでオウムに駆け寄り外へ出そうとした。柵のある窓なため、すんなりとは出せそうにはなかった。それに、なぜかそのオウムは余計に鳴いて外に出ようとしなかった。


人が入ってくる。もう、だめだーーー!!


『ツヴァイ、もう行くぞ……ツヴァイ?』


ーーーそれが、光とクン・ファンドゥの出会いであった。


ー→

・くんとひかる→←・やおとめひかる



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (115 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
323人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

綾香(プロフ) - コメント失礼します。パスワードのヒントなどもらえませんでしょうか?もし無理ならすみません。 (2019年4月19日 20時) (レス) id: 7a3ce394e8 (このIDを非表示/違反報告)
未央 - はじめまして!すごく面白くて続きが気になります!更新待ってます!応援してます! (2019年1月26日 16時) (レス) id: 71bdc0414f (このIDを非表示/違反報告)
ゆやけLOVE - お久しぶりです。更新楽しみにしてますo(^o^)o お忙しいと思いますが、作者さんのペースで更新していってくださいm(__)m (2018年2月10日 1時) (レス) id: a62276a76a (このIDを非表示/違反報告)
ありさ - 初めまして!この作品すごく面白いです!あと大学合格おめでとうございます。私も今年高校受験なので、目標を決めて頑張りたいと思います。 (2017年11月24日 1時) (レス) id: d4c33c56c1 (このIDを非表示/違反報告)
夕焼け - 面白いです!!更新頑張ってください!!応援しています!! (2017年8月23日 16時) (レス) id: d6828c72d6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:暁月 空 | 作成日時:2016年5月24日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。