カフェ・じゃんぷ (ページ43)

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・まいごページ43

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「……迷った」

おかしいな。地図通りに歩いていたはずなのに。初めて入る森は複雑すぎて、自分が方向音痴だったと言うことを初めて知ることになった。

ぐぅぅ…

「…お腹、空いたな」

もうここがどこだかわからない以上、むやみやたらに歩き回っても仕方がない。地図のどこにいるかすらわからないから、その道にも戻れない。どうしようと、体力も空腹も限界だったとき。

がさがさっ……

「ひぅっ……」

茂みが踏まれている音がした。何か来ているとは直感がなくともわかる。逃げたほうがいいか。でも、人だったら助けてもらえるかもしれない。魔獣の場合は、魔力がほぼない今ただ襲われるしかない。

なら逃げよう。

しかし、その心配は必要なかった。

「誰かいませんかぁ～？……おっかしいな、さっき声が聞こえたんだけど」

「いのちゃん！早く帰んなきゃ薮心配するぞ！」

「でもここら辺に誰かいるんだってば～！」

小さい体を活かして木の陰に隠れると、2人組の青年が茂みから出てきた。1人は、色白でもこもこした髪型をした女の子のような人。もう1人は少し色黒で、八重歯がとても特徴的な人だ。年なんて覚えていないけれど、俺と同じ年位だと思う。

悪い感じではなさそうなので、話しかけてみることにした。

「あの……」

「ん？…あ！ほら光いたじゃん！」

「そうだね。……ボク？こんな所でどうしたの？」

「あ、の。み、道に迷いました。ここに行くにはどつしたらいいですか!?」

緊張のし過ぎで大事なことを無視した気もしたけれど、今の俺にはこれを言うだけで精一杯だった。

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