カフェ・じゃんぷ (ページ38)

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・ぜつぼうのひかりページ38

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フレアの魔法は、決してとても強い魔法ってわけではないけれど、炎魔法の中では中位でも上の方にあるものなので、だいぶショックだ。

これ以上は、龍を戻すために使う魔力がなくなってしまう。主な魔法はこっちだから炎魔法に魔力を使って魔力切れを起こしたら元も子もない。

(龍を元の場所に戻す) 帰還魔法に魔力を流し、強度を上げる。少し強くなった鎖のそれ。それでも、元の場所に戻ってくれるということはなかった。

「……っ、どう、すれば」

どうすれば。

どうすればいいか、わからない。

もともと外を知らない俺がーーー8年前までの勉強しかしていない俺が。

1人で龍を元に戻そうなんて、無謀だったのか。

「今更何考えてんだよ、おれっ……!!」

今更、俺は逃げようとしているのか。こんなことして、許されないようなことをして。

ーーー龍の、動きが変わった。

と、思ったと同時に、龍は大きな口を開いた。そこにまぶしいくらいの光が集まっていく。

ブレスだ。

しかも、とても大きな。巨大な、俺には防ぎようのないほどに大きな魔力の塊。龍はそれを放つ体勢を、すでにとっていた。

俺、ここで終わるのかな。

気付けば、帰還魔法は何の意味も成していなくて。ただ余計に、龍を刺激していただけだった。

走馬灯なんて、なるほど思い出を持っていなかった。

ここで終わるんだ。何の思い出もないまま死ぬんだ、俺。未練はあるようでなかった。もう、どうでもよくなって、目を閉じた。

ーーーなんで。

「ーーー何やってんの？なんで、死のうとしてんの」

それはいつまでたっても来なくて、目を開ければ目の前にブレスはなく、黒いローブを着た誰かがいた。

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