カフェ・じゃんぷ (ページ37)

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・りゅうページ37

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細道を駆使して龍の下まで辿り着く。実際に近くで見てみれば余計大きくて、俺の勇気を少し小さくさせた。

「下のばしょっ、戻って……!!」

左手に用意していた魔法を、龍に向ける。シュルルッ……!!と魔法陣から出て来たのは、鎖。龍の真下に魔法陣を出現させる。それは龍を元いた場所に戻すためのものだ。

鎖が龍の体を巻きつけて、龍は大きく唸った。それによって衝撃波が現れ、俺の体に痛く吹き付ける。吹き飛ばされそうになるのをぎりぎり足で踏ん張り、目は龍から離さない。

「っぅ……!!」

どうすれば。

龍を元の場所に戻すことが出来るだろうか。

暴走した魔力で召喚した魔獣は暴走状態で現れ、それを元の場所に戻すことはほぼ不可能だ。その魔獣より強い力を持つ者がいれば、それは例外だが。

少なくとも、この場で戦っている人が俺だけということに、この村に俺以上に強い魔力の持ち主はいないみたいで。その俺が無理ならば、もう出来ることはない。

それでも。

俺が止めなきゃいけないんだ。

ーーー有岡家は、何も魔獣を操る魔法のみなわけではない。俺が持つもう1つの魔法は、火。もう少しちゃんというなら、『炎』だ。

「モーリング・フレア……!!」

炎魔法の中でもまだ下位にある魔法を放つ。現れた約10つの炎玉は龍を傷付けようと放つ。

当たったか……？

「はっ……!?む、きず」

炎玉で起きた煙が晴れると、見せたのはなんの傷もない無傷の龍だった。

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