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中に入ると少し薄暗くてテレビやソファ、ロッカー机……無数のガラクタ。





「よくこんな所見つけれたね」





腰を低くし、散らかってるものを1つ手に取るとバイクの雑誌。壁には数枚バイクのポスター。




ステッカーなんかもソレっぽい物が貼られてる。


「ココってもしかしてバイク屋さん?」





「うん。元は真一郎君の店だったんだ。」





真一郎……君?




「その人今は?」




「亡くなってるよ」





「そう……ごめんなさい」


…………









暫く沈黙が続いて私たちはガレージに背を向けて少しの間ぼうっとした。どこか新鮮で、少しだけワクワクしてしまった。





「俺、少年院入る前によくこのバイク屋通ってて、」



「何。改まって。」


「そこは頷いて聞け馬鹿。」








馬鹿??







「ぷっ、ふふ、ははは、」
「青宗に馬鹿って言われるとは、ふふ、変なの」


「……はは」


イヌピーは呆れたように軽く微笑んでから、黒龍の事を話し始めた。私はそれを黙って聞いていて。

話終わる頃には、何だか悲しい気持ちでいた。



同情していたのかもしれない。





「青宗って意外と子供なのね。ヒーローを追っかける子供よ……あなたをそこまで揺るがすなんて、真一郎君に一目会ってみたかった。」







「俺ももう一度会いたいよ。」







そう言って肩を竦めて、部屋を見渡した。俺にとってはずっとヒーローのいる場所なんだと。口を漏らしていた。









イヌピーがとても弱々しく見えた。

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作者名:麦の丸。 | 作成日時:2021年8月25日 23時

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