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一週間が経った。一週間も経つとクラスに"グループ"と言うやつができる。
俺は表裏作らない人間だから自然と人は寄ってきて、優しい奴は声を掛けてくれる。
それ以外は田中と過ごしていた。
クラスの人物像という物がある。
田中の見込み道理、中心人物はやはりと言える、黒羽快斗だった。
だが、授業妨害は耐えないものだった。大学受験を目の前にしてマジックで先生にキザなセリフを吐き捨ててたまにトンズラする奴だ。ろくな奴では無いと俺は思っている。
「なぁ。お前、Aとか言ったっけ。俺は黒羽快斗。まだ話した事無かったよな？」
そんな奴に今日は声を掛けられた。田中から付けられたアダ名はゴキブリホイホイ。絞めてやろうか。
『あぁ。黒羽クンはこのクラスでも有名人だからね。名前くらい俺でも知ってるよ。』
「そりゃ光栄だな！」
とケラケラ笑い出す彼は、俺のろくでもない奴精神を打ち砕いてくれた。
これは単なる俺の偏見か。
『黒羽クンは何でマジックが好きなの？』
俺は何気無い、、素っ気ない会話を進める。
我ながら会話は弾まないような。
「ケケケ〜！」
『…？……黒羽クン？』
さっきからずっと笑っていると思ったら、コイツは驚いた。
さっきまで喋っていた相手の顔がカラクリだったのだ。いつ摩り替えたのだろうか。
実に気味が悪い。
『こりゃ凄いな…』
「だろー？」
いつの間にやら占領している田中の席に彼は座っていた。
アイツ(田中)どこ行ったの。
椅子を跨いで先程の話に戻ってくれた。父に教わっただの、将来はマジシャンになりたいだの。
彼は純粋なんだろう。高校生でここまで夢を持つ奴は初めて出会った。
『黒羽クンは顔色を伺うのが得意そうだ。』
「……はは、なんの事やら〜」
てかマジどこいった？(田中)
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作者名：麦の丸。 | 作成日時：2021年4月17日 0時
