遠回りの先に（Jesse×Hokuto） (ページ15)

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駅を出るとすぐ目の前に大通りがある。
まだ早い時間だからか結構な人が歩いていた。

その大通りを真っ直ぐ歩いていき、2つ目の信号で右に曲がる。そこには都内有数の有名な大学病院がある

……ここに今、ジェシーはいる。

あの件があってから俺は何度も彼に会いに行こうと試みたが毎回玄関の前で身体が言うことを聞かなくなり
断念していた。

まあ、多分…中に入れた所で面談はさせてくれない

この中に…ジェシーはいるって分かっているのに
会うことが出来ない…

それがもどかしかった。

黒「……帰るか」

やはり来た所で何も出来ないので来るべきではなかった。何なら少し心が重い気持ちになっちゃったな…

黄「…………君は…まつ、むらくん？だっけ？」

駅へ向かおうと病院に背を向けた時、いきなり名前を呼ばれたため俺は慌てて後ろを振り返った。

黒「…すみません、、
どなたですか…？」
黄「あぁ…そうですよね…笑
いきなりすみませんでした…
高地です。高地優吾。」
黒「…………こ、うち……
！！あの時の…！」
黄「思い出してくれましたかね？」
黒「確か……ジェシーの…」
黄「そうです…！ジェシーさんの担当医をやらさせて頂いております」

高地先生はあの時にジェシーの事を助けてくれたお医者さんだった。

あの時から9年も経っていたからすぐには思い出せなかったけど確かに当時と全く何もいい意味で変わってない。

黒「よく……俺の事、覚えてましたね
もう9年前の話だし、俺は直接あんまり関わった事がないのに…」
黄「ジェシーくんは俺にとっての初めての患者さんだからその当時の事は割と覚えているんだよね」
黒「なるほど……」