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「だから…っ、だから、おれはもうスキズっ、には……っ」
俺はもうスキズには必要ない、そう言おうとしているのがわかって思わずハルを抱き締めた。
ハルは言葉を詰まらせながらも苦しい理由を話してくれた。
最初こそ嫌な言い方にならないようにと考えながら話していたが、途中から口から出る言葉は何も纏っていないストレートな言葉ばかりだった。
言いたいことを言い切ったハル。そしたら次は俺の番。
CB「確かにハナも高音を出せるしスンミナもイエナもどんどん上達してるけど、だからといってお前が居なくていい理由にはならないだろ」
CB「スランプ真っ最中で出たライブは良いものではなかったかもしれない。でもスランプ抜けて調子取り戻した時のお前の歌、stayの反応はどうだったよ」
「……っ」
CB「おかえりって、待ってたって、やっぱりハルじゃなきゃダメだって、そんな声いっぱいあっただろ?」
CB「だから、必要ないとかいらないとか、もうそんなこと言うな」
CB「stayも俺たちも、誰よりも真っ直ぐで心に響くお前の歌声が好きなんだよ」
ハルは一瞬力を入れて体を縮こまらせたものの、俺が話している間にどんどん力が抜けて、まるで子供のようにわんわん声を上げて泣きじゃくる。
こんなくさいことを冗談でもなく本気で言う俺はレアだからな。早く調子戻せよバカ。
「おれっ、おれまだ、ここにいたいよ…っ」
CB「居ていいよ、誰も要らないなんて言ってない、居ろ」
「おれを、おいてかないで……っ」
CB「みんないるから、大丈夫」
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泣き疲れたハルはそのまま俺の腕の中で眠ってしまった。
赤ちゃんのように俺のTシャツを握っていて思わず笑ってしまう。このままじゃ俺身動き取れないんですけど……
Tシャツを脱いでハルをベッドに寝かせ、別のTシャツを着る。
水を飲もうかと部屋の外に出ると、ハニがドア横の壁にもたれて座っていた。
CB「うわっ、びっくりした……どした?」
HN「いやっ…ハルヒョン大丈夫かなって」
全部吐き出して眠ったから大丈夫だと言うと安心したような顔をするハナ。
2人でリビングまで出ると、そこにはチャニヒョンとヒョンジナも居た。
2人にもハニと同じように説明すると、良かった、と大きく息をついて脱力する。俺と違って序列上位のハル……
HJ「早く調子戻るといいね」
BC「あ〜また上手くなって帰ってくるんだろうなぁ……」
HN「おれよく歌ってみるけどハルヒョンほどの綺麗な声で出なくてさ、さすがだなぁ〜って思ったから早く聞きたいㅎㅎ」
心配しなくても、力強くて儚いお前だけの歌声がみんな大好きだよ。
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作者名:鶯 | 作成日時:2023年4月23日 19時