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お前だけの ページ34

⚠︎某元メンバーのお名前、脱退の話題が出てきます。作者は脱退について詳しくないため、苦手な方はご注意ください。



CB side


練習終わりの宿舎。明日は朝から運動しに行こうと寝る前に荷物の準備をする。

すると、コンコンコン、とドアをノックする音。

こっちの宿舎のメンバーはノックして直ぐに入ってくるか、あるいはノックもせずに勝手に入ってくるのに、音がしてからドアノブを握る雰囲気すら感じない。

こちら側からドアを開けると、そこにはハルが立っていた。


あぁ、これは__


「………」


_限界の時の目だ。


目が合っても何も言わない。きっとハルも、俺が気付いていることには気付いてる。


CB「好きなとこ座りな」

「…うん」


部屋に通してそう言うとハルは迷わずベッドに座った。


CB「なんか飲み物持って来ようか?」

「んーん……あー…お酒飲んじゃダメ?」

CB「アンデ〜〜ㅎㅎ」

「んへっ」


ここ最近ハルは不調続きだった。
こいつは1つ不調に気付いてしまうとそこからどんどん悪化してしまう。

最初は1度高音が出なくて今日は調子良くないのかくらいにしか思ってなかったが、それからどんどん高音が出なくなっていったし、ついに今日は歌おうとしても声が出ず、チャニヒョンに今日は休めと言われる羽目に。

やらせてほしいと次はなんとか声は出たものの、相変わらず高音は出ないし力もなく音はブレブレ。

さすがにメンバーも心配していたけど、ちょっと調子悪いだけだからといつものように明るく振舞っていた。


しばらく雑談をしたのち、沈黙が訪れる。


昔も、同じようなことがあったのを思い出した。


なんで…っなんで、ウジニヒョンなの…っ__



ウジニヒョンが脱退した時、1番メンタルがやられていたのはハルだった。

スキズのメインボーカルはウジニヒョンとハルの2人。
ハルはヒョンのことを本当に尊敬していて大好きだった。

突然発表されたヒョンの脱退。尊敬するヒョンがいなくなるどころか、自分1人になるメインボーカル。そのプレッシャーはきっと俺が知り得ないくらい重かったと思う。

今日のように声が出なかった日もあったし、逆に無理に声を出して喉を潰して来たこともあった。

その時も俺に相談しに来て、泣いて、全部吐き出して…

すぐには回復しなかったものの、最終的には更にレベルアップしてスランプを抜け出していた。

だから今回も歌に関しては心配はしていない。ステージに立つまでに時間はあるし、きっとまた今以上に上手くなって帰ってくる。

ただ……ハルのメンタルが心配だった。


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作者名: | 作成日時:2023年4月23日 19時

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