第140話 本音と嘘 ページ4
水「私は…美波に救われたよ。」
私と同様、瞳から大粒の涙を零し続ける水越ちゃんがしゃべりだす。
水「部活やめた時…美波も辛かったはずなのに毎日慰めてくれて…。」
・
『大丈夫、水越ちゃんなら次があるよ』
『…でも、もう無理だよ…』
『大学でさ、また一緒に泳ごうよ。澪奈に一緒に勝とう。』
『………それまで、頑張れるかな…』
『出来るよ。水越ちゃんなら出来る。』
・
諏「…私の夢、笑わないで応援してくれたの…美波が初めてなんだ。」
・
『モデル!?凄いじゃん!!絶対なれるよ!!!』
『…笑わないの?』
『なんで?いい夢じゃん!!』
『そう…かな』
『そうだよ!!凄いな〜モデル。今のうちにサイン貰っとかないとね。』
・
水越ちゃんと諏訪ちゃんを合図に、他のクラスメイト達も口を開いては言葉を紡ぐ。
石「俺もお前がいたからダンス続けてこれたんだぜ?」
須「お前が諦めかけてた時背中押してくれたから、俺と石倉は今もダンスやれてる」
里「捻挫して大事な試合出れなかった時、すっごい慰めてくれたよな。あれのおかげで頑張れたんだ。」
真「茅野もそうだけど…美波もマネージャー進めてくれたよな。」
熊「部活の時、いつも支えてくれててありがとう。」
瀬「タイム伸びなかった時期に色々コツ教えてくれたよな。そのおかげで入賞できたし、本当に感謝してる。」
魚「私も…テスト期間もわざわざ練習付き合ってくれて…あれ、すごく嬉しかったよ!!」
宇「ダンス…サポートしたり、フリ考えてくれて…美波がいたからダンス上手くなったし…。」
「俺も…」
「私も…!!!」
クラス全員の言葉がどんどん心に巻かれた嘘で固まった鎖を溶かしていく。
嘘で塗り固められた記憶達も、だんだん本当の姿を見せてくる。
・
甲「あんな楽しそうに笑ってたのにな…今更、あれが全部嘘だった なんて言わせねぇぞ。」
・
気持ち悪い なんて嘘。
救われてない なんて嘘。
楽しくなかった なんて嘘。
何度も救われた。
何度も心の底から楽しいって思った。
でもそれを嘘で塗り固めたのはどこか孤独感があったから。
いつか消えるんじゃないかって。
いざ失った時、心の傷を減らすために嘘をついた。
でも、それは違った。
茅「美波ちゃん」
・
・
・
・
茅「みんないるよ」
1人じゃない。
1371人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まな(プロフ) - 最近TikTokで3年A組の動画が流れてくるので読みたくなって見つけて読ませてもらいました!めちゃくちゃ面白かったです!いつかまた続きが見れるのを楽しみにしています! (2月26日 20時) (レス) @page46 id: 2fa75e39a6 (このIDを非表示/違反報告)
しょぴ - 一年以上前の作品にコメント失礼します。ずっと続きが気になっているので気が向いたら更新していただけたら嬉しいです、、!応援してます。 (2020年11月18日 22時) (レス) id: f8e1a41574 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - 最初から読ませてもらってます!とても面白くて、毎回笑いながら見ています笑笑ぜひ更新してくれるとありがたいです!! (2020年6月2日 23時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
莉子 - シリーズ1からずっと見てます!なので、更新頑張って下さい!続きが気になります!! (2020年2月26日 16時) (レス) id: 5f56a1975b (このIDを非表示/違反報告)
六花 - 失礼なことだと思いますが、この作品はとてもいい作品なので、更新できる気がしないのならば、他のだれかに引き継ぐのはどうでしょう? (2020年1月7日 9時) (レス) id: 399d9ccc7c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:虚無子 | 作成日時:2019年3月8日 20時