鳴かぬなら 殺してしまえ/2 ページ14
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「 あ〜…ああああ暇〜! 」
「 暇じゃねえよ!早く仕事しろっつってんのがわかんねェのか!? 」
「 痛っ! 」
Qに会いに行った。何だか機嫌が悪かった。だから帰って来たはいいが、机の上に書類が積み重なっていた。
「 手前、何か俺に言うことはねえのか? 」
「 中也今日も小さいね 」
「 あァ!?お前の方が小せえよ! 」
「 …すみませんでした、ごめんなさいって言おうとしたんです 」
だから書類を床に撒き散らした。それを敷布団にして寝た。そしたら中也の異能で潰されそうになった。真面目に潰れるかと思った。
今日は何も起こらない。きっと少年の入社試験の日だろうから。探偵社に乗り込んだら私が返り討ちにされてしまうし、“ ふくざわどの ”に遭遇したら相当やばい。斬られる。
____まぁ然し、弱点は分かっているのだ。
首領と“ ふくざわどの ”の大事な人はきっと同じだと云うことだ。誰かというのは分からないが。取り敢えず弱点を突いておこうと聞き出そうとしているのだが、矢張り口が硬く中々漏らしてくれない。太宰なら知っているのかもしれないが、彼奴の下に立って聞くくらいなら死んだ方がマシだ。
誰も私を殺さない。
所詮人は情に流されるのだ。誰も恩人や愛人、配偶者、親友を気兼ねなく殺せる人なんて居ないだろう。私の異能も此処まで効くとなると太宰のように“ 死にたい ”とさえ思ってしまうが、“ 彼奴と一緒 ”にされるのは癪なので強く生きようと思う。太宰と口調が似ていると云われるのは地雷である。彼の人が私に教育を施したのだから仕方がないだろう!
「 物騒なこと考えてんだろ 」
「 んー? 」
此奴の、中原中也の大切な人は誰なのだろう。分かった事がない、というか此奴に異能を向けた事がない。勝負はいつも体術のみで行って来た。
傷付けたくない。異能を向ければ少なからず人は傷付く。
太宰にだって、中也にだって異能を向けたことはない。嫌だったのだ、自分の手で傷つけるのが。マフィアらしからぬ思考だろうか、此れは。こんな思考がある時点で未だ子供だと自分でも思う。悪の権化である組織に所属しているのに、偽善的だと自分でも思う。薄っぺらいなんて分かっているのだ。
彼等以外なら誰でもいいと、ヤケになって異能力を発動したこともある。人を傷付けて、其れが楽しいと思ってしまう。
其れが正されない限り、この仕事は辞められないのだ。
「 ああ、何か面白いことないかなぁ。 」
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ねむい(プロフ) - イチゴプリンさん» いつもありがとうございます、本当に励みになります、、!これからも何卒宜しくお願い申し上げます! (2018年4月2日 12時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
イチゴプリン(プロフ) - ねむいさんの作る作品はとっても面白くて大好きです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2018年4月1日 13時) (レス) id: 645f74247e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねむい | 作者ホームページ:
作成日時:2018年3月27日 16時