風雲、夜闇に紛れる/4 ページ11
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「 莫迦だなぁ、私がやられるとでも思ったかい? 」
「 だって、だっ、て!すごい音したし太宰いつもポケットに手突っ込んだまま戦うんだもん莫迦!心配…は!してな… 」
___「 おい太宰! 」
先程聞いたのと似たような声がした。と、なると国木田さん。探偵社員、ということは…太宰は武装探偵社に…?
「 隠れろ、A 」
「 ちょ… 」
太宰に軽く肩を押された。私の体は簡単に傾いて影に入る。荷物が多く置いてあったので隠れられたが、確かに“ マフィアの人間 ”と一緒に居たなんて知られれば太宰の信用が落ちる。例え、元マフィアだとしても。
____此れも、仕事を辞めたいと思っている一因である。
「 ねぇ太宰 」
「 …どうかしましたか、乱歩さん 」
「 …此処、太宰以外に誰か居ただろう 」
「 さあ? 」
____やばい、まずい。
そんな言葉が頭の中を駆け巡った。
彼の人、乱歩さんと呼ばれた人は「 ううん、可笑しいなぁ 」なんて呟きながら此方に向かってくる。えぇ、待って、もう逃げも隠れも出来ないじゃあないか!
「 異能力、… 」
使え。異能力を使え。怖がるな、彼の人の愛人じゃなくていい。
だから“ 千羽鶴 ”は使わなくていい。つまり“ 波千鳥 ”の方を使うんだ。未だ使いこなせない、けれど動物くらいならいけるだろう。
怖がるな。
「 波千鳥 」
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「 んん?唯の猫か 」
「 行きますよ乱歩さん、太宰も突っ立ていないで早くしろ 」
「 ああ、国木田くん。先に帰っていてくれ給え 」
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やばい。まずい。此れはやばい。
先程のような言葉が再度頭の中で渦巻いていた。
探偵社員が去って行ったはいいが
このままだと体が持たない。
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____「 美人な猫だねぇ、私と心中してくれないかい? 」
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此奴…猫相手にもナンパか、見事に糞だ。
こつこつと音を立てて太宰が隣を歩いて行った。きっとあと30秒程で意識が飛ぶ。と、そんなところで体が軽くなる。
持ち上げられてるんだと感じると共に不思議な感覚。二年間感じていなかったから少しむず痒い。
「 っは、はぁっ、は、はぁ… 」
「 誰かに見られたら誤解を呼ぶねぇ、此れ 」
「 うる、さ… 」
締め付けるように太宰の腕が首に回った。きつい。今日はハードすぎる。もう異能力は解いたのだから放せよオイ
「 ふふ、可愛いねぇA! 」
「 待ってもう無理中也に電話してこのままだと死ぬ 」
「 ええ、嫌だよ私 」
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ねむい(プロフ) - イチゴプリンさん» いつもありがとうございます、本当に励みになります、、!これからも何卒宜しくお願い申し上げます! (2018年4月2日 12時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
イチゴプリン(プロフ) - ねむいさんの作る作品はとっても面白くて大好きです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2018年4月1日 13時) (レス) id: 645f74247e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねむい | 作者ホームページ:
作成日時:2018年3月27日 16時