48 翠の過去 ページ9
夜になり、研究者達の数が少なくなると、施設の中は少しだけ騒がしくなる。
「僕たちは…人間なんだよね?」
「大丈夫、きっと出られるよ。」
もう無理だと弱音を吐く者の声や、大丈夫だとまだ希望を捨てない者の声など、様々な声が響き渡る。
階級の低い子供達は、私と違って自分の部屋がもらえないので、全員大広間で過ごしていた。
そこを通って私が研究者に貰った晩御飯を自室に持って行こうとすると…
「いたぞ!捕まえろ!」
一人の少年に見つかり、その声を聞いた全員が私の体に掴み掛かってきた。
翠「うわ、」
私の持っていたトレイに乗った味噌汁やご飯が床にばら撒かれる。
子供達は、床に落ちた食べ物を必死で口に運んでいった。
私は、押さえられた体を起こそうと必死でもがいたが、離してはもらえなかった。
許可なく異能を使う事は許されないので、力で抗うしかないのだが…。
翠「っ、離して、」
私がどんなにもがいても、子供達に手を緩めてはもらえなかった。
でも、仕方ないのかもしれない。
私も、こっちの階級の人間だったら、きっと同じ事をしていたと思う。
「君はいいよね、立派な成功作で。」
一人の女の子が私にそう吐き捨て、腹を蹴ってきた。
それを見た他の子達も便乗して、頭や顔などを殴ってくる。
痛い、痛い、
?「何やってるんだお前ら!」
だんだんと意識が薄れてきた時、一人の男の子の声がした。
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文スト - こんなに素晴らしい作品を作っていただきありがとうございます。とても感動いたしました。特に中也さんのありがとうな相棒が泣けました!!こんなに感動を与えてくれる作品はなかなかありません。これからも頑張ってください!!応援しています!! (2020年4月4日 0時) (レス) id: a01fb1d9df (このIDを非表示/違反報告)
落葉 - とても。良かったです。すみません、何かこう…もっと出したい想いがあるのですが言葉が上手く出てこず…でも本当にこのお話、好きです。このお話に出会えて良かった。 (2019年1月14日 23時) (レス) id: 86e3e2dd18 (このIDを非表示/違反報告)
藍色(プロフ) - ふとこの小説を見つけて読んでみると、とても面白くて引き込まれてしまいました!とても感動的な話をありがとうございます!夢主の過去と最期の時に涙しました…! (2019年1月4日 21時) (レス) id: 29bb7cf916 (このIDを非表示/違反報告)
夢ノ胡蝶(プロフ) - ミーシャ アルグさん» コメントありがとうございます!今でもこの小説を読んでくださる方がいて、コメントまで頂くことができて、嬉しい気持ちでいっぱいです…!本当に最後まで書いて良かったです。読んでくださってありがとうございました! (2018年7月7日 22時) (レス) id: 418ca22426 (このIDを非表示/違反報告)
ミーシャ アルグ - 感動しました~!!(ノ_・、)本当に面白かったです! (2018年3月7日 6時) (レス) id: 31eda759a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢ノ胡蝶 | 作成日時:2016年8月28日 13時