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65(中原side) ページ26

翠「あり、がとう、あり、がと、」

掠れた声で何度も礼を言った後、Aは静かに目を閉じた。

もう…動いてはくれないようだ。



中「…A。」

静かに名前を呼んで、俺はAの髪をゆっくりと撫でた。

その顔はまるで眠っているようで、暫くしたらまた動き出すように見えたが…。

そんな事は絶対に叶わない。

中「A。」

Aを見つめていると、今までの思い出が一気に蘇った。

(やめてください!!!)

(お兄ちゃんは…私が守るよ。)

思い返せば、Aは過去を匂わせるような不思議な言動を幾つも残していた。

もっと早くに…気づく事は出来なかったのだろうか。

ずっと恨んでいるだけで、何も調べようとしなかった自分が本当に情けなかった。

俺の怒りや憎みを…Aは小せえ体で全部受け止めて。

少し見ないうちに…こんなに痩せ細っちまった。

中「ごめんな…A、ごめんな。」

幾ら後悔したって、もうAは動き出してはくれない。

もう…あの笑顔を見る事は出来ない。

俺は、冷たくなったAの首に静かに触れる。


チャキ…


エリス嬢から貰ったチョーカーを、Aの首に静かに着けた。

Aは…誰かを庇って殺人犯になった。

自分以外の誰かを…馬鹿みてえに必死に守り続けたんだ。

それなら…

中「俺は…そんなAの生きた証を守る。」

人は…思い出の中では死ぬ事はない。

Aは、これからも俺の中でずっと生き続ける。

中「ありがとな、相棒。」

俺は静かに目を閉じる。

(中原さん)

Aが、明るい声で俺を呼んで…幸せそうに笑っていた。


end

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文スト - こんなに素晴らしい作品を作っていただきありがとうございます。とても感動いたしました。特に中也さんのありがとうな相棒が泣けました!!こんなに感動を与えてくれる作品はなかなかありません。これからも頑張ってください!!応援しています!! (2020年4月4日 0時) (レス) id: a01fb1d9df (このIDを非表示/違反報告)
落葉 - とても。良かったです。すみません、何かこう…もっと出したい想いがあるのですが言葉が上手く出てこず…でも本当にこのお話、好きです。このお話に出会えて良かった。 (2019年1月14日 23時) (レス) id: 86e3e2dd18 (このIDを非表示/違反報告)
藍色(プロフ) - ふとこの小説を見つけて読んでみると、とても面白くて引き込まれてしまいました!とても感動的な話をありがとうございます!夢主の過去と最期の時に涙しました…! (2019年1月4日 21時) (レス) id: 29bb7cf916 (このIDを非表示/違反報告)
夢ノ胡蝶(プロフ) - ミーシャ アルグさん» コメントありがとうございます!今でもこの小説を読んでくださる方がいて、コメントまで頂くことができて、嬉しい気持ちでいっぱいです…!本当に最後まで書いて良かったです。読んでくださってありがとうございました! (2018年7月7日 22時) (レス) id: 418ca22426 (このIDを非表示/違反報告)
ミーシャ アルグ - 感動しました~!!(ノ_・、)本当に面白かったです! (2018年3月7日 6時) (レス) id: 31eda759a0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢ノ胡蝶 | 作成日時:2016年8月28日 13時

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