【文スト】中原さんは明日も私の事が嫌いだ

54(中原side) ページ15

中「極秘異能研究所…？」

翠の事について調べていくうちに、ある研究所の存在に辿り着いた。

建物の写真を見ると、表向きは何かの会社の様に見えたが…実際は異能力者を人工的に産み出す実験をしていた危険な組織らしい。

翠も…ここで暮らしていたのか？

だとしたら…あいつの異能も人工的に植え付けられた可能性が高いな…。

研究所の事について調べてみると、少し前に大量殺人事件があった事が分かった。

研究者達は全員殺され、其処で暮らしていた子供達は逃走してしまい、今でも行方が分からないそうだ。

中「物騒な事があるんだなあ…。」

独り言をつぶやいてもう一度事件があった日にちに目をやると…

中「…俺の部下が殺された日じゃねえか！」

急いで研究所の場所を調べると、翠と初めて会った路地裏と相当近い事が分かった。

偶然なのか？…これは。

更に詳しく調べてみると、逃亡した子供の中には武器を持っていた者もいたそうだ。

部下を攻撃する事ができたのは…翠だけではなかったんだな。

中「そうだ…死体処理班の話も聞いてみる事にするか。」

異能を使って殺したという翠の話を鵜呑みにして、部下の死体は自分では特に調べていなかったのだが…。

もう一度…向き合ってみる必要がありそうだな。

ーーー間ーーー

「中原さんの部下の死体を処理したのは私ですが…聞きたい事とは？」

死体処理班の一人が俺に向かって聞いた。

中「あの時の死体の様子を詳しく教えてほしいんだ。どんな些細な事でも構わねえ。」

俺の問いに対し、相手は暫く考えていた様子だったが、やがて何かを思いついたように話し出した。

「そういえば…不思議な死体をしてたんですよねえ…。」

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