犬系彼女(たまに猫) (ページ45)

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よしくんが撮影中ずっと楽屋のソファーに座らせてもらっていた。
ほんとうに、迷惑じゃないか悩みながら。

よしくんみたいなあんな優しい人は世界中どこ探してもよしくんしか見当たらなそうできっとここまでになると冷たくされそうで。

10分くらい経ってぼーっとしているとドアノブが降りた音がして楽屋のドアが空いた。
メンバーの誰かが帰ってきたのかなって思って顔を上げると出入口には昨日のその女性の方がいた。

彼女は何も言わず睨むような目でこちらに近寄ってくると「こちらお茶です」とそのグラスを差し出してくると頭の上から熱い湯が掛かった。

「 …きゃっ… 、」

それは沸かしたての熱いお湯みたいな感じですごく暑くて顔の皮膚や頭、庇った手がヒリヒリと熱い。

「 …いっ、た… 、」

「あなた、まさかここに来るなんて思わなかった」

「 …え、」

「昨日言ったよね？正門くんに近付くなって、離れろって。あんたみたいな庶民が正門くんの隣に向いてるわけが無い。可愛くもないのに。」

と言うと目の前に出してきたのは小さなナイフだった。
それを彼女は私のすごく前に近付けてきて逃げたいけど身体が固まって動かない。

「 …あの… 、」

「どうやって、正門くんと付き合うことが出来たの？あ、もしかして脅した？正門くん。上手いこと言って脅したんでしょ、ねえ！」

「 …そんな、事は…、」

何が起こってるのか分からなく頭が真っ白になった。