まさかどよしのりくん (ページ10)

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まさかどくん。ページ10

もう、家に入ったのか周りにAの姿は無くて。ドアを開けようとノブを引っ張るけど鍵が掛かっていた。開けて、とノックするけど勿論反応なくて。

正『そうや…っ、合鍵… 』

何かあった時とか好きな時に来れるようにとくれた合鍵を思い出しカバンのポケットから慌てて取り出した鍵で玄関を開けた。

正『 A…入るで…？』

ゆっくりと、そっとリビングの方へ入ると凄くいっぱい泣いてるA。

『 …っ…こないで、』

正『 A…っ、話、聞いて…っ、』

床に座って泣いてたAは俺を見つけて寝室の部屋に入ろうとするAの腕を引っ張ってこちらへ向かせるけど落ち着いてくれなくて離して、の一点張り。

『 …やあや…っ、ききたくな…っ、』

さっきから、ずっと俺の目も見てくれへんくて必死に逃げようとするAを両手で身体を寄せグッと掴んだ。

正『 A…お願いやから、聞いて欲しい…。まず、さっきの事、ごめん。嫌なとこ、見せてもうたな？それと、今日連絡もよこさんと来なくて、ほんまごめん。』

『 …きら、いに、なった… 』

正『嫌いになってへん…寧ろ、Aの事離れられへんくらい大好きやで？信じてくれへんかもやけど、こんなの言い訳になるんやろけど。昼間Aの所に行こうとしたらマネージャーに今日しか無理やねんってお願いされて監督に会いに行ったんよ。そしたら、女の子のおるお店やって、帰りたかったんやけど… 』

『 …可愛い、子、いっぱいおったん？その子に、惚れたん…？私、捨てられちゃ、うん…？』

両目にいっぱい涙を溜めて過呼吸になるくらい息を詰まらしながら必死に話してくれるA。不安で怖かったんやろな…。