まさかどよしのりくん (ページ5)

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まさかどくん。ページ5

正『今日なんか元気出来ないけど、どうしたん？』

『 …え、？普通、やもん』

正『いーや。普通ちゃう、なんかあったんとちゃう？言うてみ』

舞台ツアー始まる数日前の最後のオフ。Aの家でソファーでゆっくりしてたら今日のAは少し様子がおかしかった。
下唇を少し噛む時は何かがあるサイン。

後ろから抱きしめて顔を覗き込むように優しく尋ねると漸く口を開いてくれたA。

『 …最近ね、仕事帰りに後付けられてるような感じがして… 』

正『仕事帰りって夜20時とかやんな？』

『 …うん…気のせいかなって思って何回も後ろ振り向いては確認するんやけど誰もいなくて…でも足音がたまにする時あって… 』

と、俺の袖を少し握りながら話すからその手を上から自分のと重ねて安心させる。

正『 …はよ帰れることとかできひんの？』

『 …今年末に向けて繁忙期やし…それくらいの時間にしか帰れへん… 』

正『そっか…俺も今、夜は稽古とかで詰まってるし…迎えに行ってやれへんくてごめんな？まだなんも無い？一緒の方向の人とかおらん？』

その答えの全部の返しにAは首を左右に振る。この仕事してる限り不規則やしあんまり一緒におれへんからなお不安にさせてるところある。俺が彼氏やってAも言うてくれてへんしな…。

正『何かあったら、絶対連絡してな？気使うとかそんな全然要らんから。な？』

『うん… わかった、』

その返事に俺はAの頭を撫でるついでに家に着いたら連絡することと約束をした。