まさかどよしのりくん (ページ22)

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まさかどくん。ページ22

『よしくんの、うわぎ、』

正『俺の？』

『 …握ってたの、奪われそうになって、』

正『ふふ、そっか。怖かったね？もう大丈夫やから、怪我とかしてない？』

『 …足、挫いちゃった… 』

正『本間や、手も突いちゃったん？医務室行って診てもらお、ね？』

『よしくんも、来てくれる…？』

正『もちろん、Aから離れたりせんからね、ここ掴まって。』

目にいっぱい涙を貯めて今にでも号泣しそうなAを俺の方の袖を掴ませてそのまま身体ごと抱き抱えた。

正『ほら、着いたで…って、寝とるし… 』

しばらく歩いて着いた医務室の先生に挨拶してソファーに座らせたら赤ちゃんみたいに眠っていた。

正『なんか、手ついて脚くじいたみたいんです。』

『そうなのね、寝てるけど大丈夫？』

正『ええ、この子病院嫌いなんで寝てる時が逆に助かります。』

Aの嫌いなものは雷と強い風の音と病院とその匂いと薬が大嫌い。
やから、俺の肩に凭れて眠ってる方が大人しくてすぐ済むから逆にそっちの方が助かる。