よしのりくん。 (ページ8)

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夏が終わり残暑も過ぎて秋に差し掛かった頃の大雨の晩。また彼が怒鳴りながら帰宅してきて私をベッドに押し倒してきた。

『 …やだ…っ、』

涼『黙ってろ。うるせえんだよ。』

抵抗すると容赦なく降りかかる暴力、蹴る、殴る、叩く。の繰り返し。私に断る隙なんてない。

だけど、そんなタイミングの時涼太の携帯に電話がかかってきて今日は途中までで終わった。
今は何にも縛られてなくて玄関の方を見ると運良く閉め忘れか鍵が開いていた。

もう乱れてる服なんて気にせず今しかないと思い少ない力で振り絞り玄関まで走った。

涼『あ、ちょおい！！』

彼の手を振り払って無我夢中で必死にドアを開けていつぶりかの家の外へ出た。アパートのため必死に階段を駆け下り涼太から逃げるように何も考えずに取り敢えず遠くへ、遠くへ走る。

大雨なんて気にしないで濡れていく格好のまま気が付いたらこの前良規くんと会った駅に着いていた。

涼太に見つからないよう死角の駅の端に蹲り隠れた。

まともに食事も水も取ってないでいたから体力も減っていて息が苦しい。
こんなのしたら、次は涼太に何されるのかな。って思いつつも時間何時か分からないけど久しぶりの涼太以外の歩いてる人間たちに目を光らせた。

私もまた、こうやって皆みたいに過ごせる日々が来るのかな、なんて。

良規くんとは会えないだろうな、と思いながら雨に打たれながら駅の端で朝を迎えるようしばらく待っていると思いがけない声が頭の上から聞こえた。

『 …A…？』