6つ目のセカイ【プロセカ】 (ページ20)

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〜夢主side〜

私は一旦家に帰宅すると、Untitledを再生する。

桜並木を抜け、カイトの店に向かおうとした。

しかし...

私の足は、桜並木を抜けてから動けなくなった。

『...またか。』

足が動かなくなることは、今に始まったことじゃない。

“仲間”

このワードを想うと、私の足は動かなくなる。

そして、それと同時に...

あの事(・・・)を思い出す。

1年経つというのに、何故忘れることができないのだろうか。

『...余っ程、楽しかったんだろうな。みんなと居ることが。』

共に歌って、笑いあって、時に喧嘩をして......青春のような毎日がこんなにも楽しいものだったのかと、失って初めて知った。

でも、もう......あの頃には戻れない。

『...大丈夫。あいつら(・・・・)とは今日限りでさよならだ。もう、会うことは無いから大丈夫。』

私はそう自分に言い聞かせると、重い足を動かした。

・

カランカラン...

私は鈴がついたレストランのドアを開ける。

『...あれ？』

しかしその場には、誰も居なかった。

『もしかして、セカイを案内しているのかな？なら、座って待つか。』

私はそう言うと、カウンター席の端に座る。

『......。』

席につくと、右斜め前に置いてある花瓶に入った5色の薔薇を眺める。

『...不思議ね。薔薇園の薔薇はほとんど枯れているのに、この薔薇達は枯れないなんて。』

...もし、私が仲間のことを忘れたら、この薔薇達も薔薇園同様に枯れてしまうのかな？

なら、いっそのこと私のイメージカラーの“赤”を消して、他の色が輝けばいいのに。

『私って、本当に必要な人間なのかな...』

私は一番濃い色の薔薇を手に取り、そう言った。

カランカラン...

カ「A、帰ってきてたのか。」

突然鈴の音が聞こえてきたためドアの方を見ると、カイトと男性が4人入ってくるのが見えた。

『さっき仕事終わったから来たの。その感じだと、まだ現代に帰れないようだね。』

カ「そうみたいだな。まぁ、とりあえず全員揃うまで座って待つか。飲み物持ってくるから勝手に座ってて。」

彰/冬/司/類「はい。」

...珍しい。カイトが優しく接しているなんて。

『カイト、もしかして人変わった？』

カ「うるせぇ。因みにA、今日は飯食ったのか？」

『うっ...』

カ「...持ってくる。」

カイトはそう言うと、厨房へと向かった。

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