6つ目のセカイ【プロセカ】 (ページ14)

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〜日野森志歩side〜

私は良く、赤羽Aの音楽を聴いていた。

歌で物語を語る...1つ1つの曲調に合わせ、感情の込め方を変えたりするAさんの音楽は、勇気を与えてくれた。

何時かのラジオで、Aさんは『誰しも、1歩を踏み出そうとする勇気が、何らかの原因で出せないことってあると思うんですよ。私だってあります。アイドルになる前は勇気が出ず、今所属する事務所の前で立ち止まっていたことが何日もありましたから。ですが、憧れの先輩に出会えたことで...先輩の音楽に出会えたおかげで、今の私が居るんです。だから私は、自分の音楽で多くの人の背中を押したい。憧れの先輩のように、皆さんのヒーローになりたいんです。』と、言っていたのを今でも鮮明に覚えている。

かっこいいなって、思った。

でも、そのAさんの想いにしては、このセカイを見て疑問点が出てきた。

野外ステージがあること、東京ドームのような建物が見えることは分かった。

なのに......何故、舞台が渋谷なのかが分からない。

レストランに来る前、私達は野外ステージを背にして歩くと...良く見る“渋谷スクランブル交差点”に繋がっていた。

レストランはその近くにあり、窓から見える外の景色は渋谷そのもの。

それに、建物内には花瓶に入った赤・青・黄・緑・オレンジの薔薇が飾られていて、Aさんの耳には赤色の薔薇のピアスが付いている。

2年程前に友達や仲間とお揃いで付けると夢が叶うと言われ流行っていた、赤・青・黄・緑・オレンジの5種類ある薔薇のピアスが＿＿＿＿＿

夢「えぇ、このセカイは私の想いでできたものなので、私1人です。それがどうかしましたか？」

『あ、いえ...』

本当にこのセカイは、Aさんの想いでできたのだろうか...

メ「ところでA、そんなにのんびりしていて大丈夫なの？」

夢「え？......あッ！レコーディング！？」

Aさんは、レストランに飾られた時計を見た後勢い良く立ち上がる。

夢「やばっ、マネージャーさんから連絡来てる...早く行かないと...あ、でもこの人達を置いてくわけには...」

もしかして、Aさんこの後仕事があるのか？

カ「こいつらのことは俺らが何とかする。だから行ってこい。」

夢「ありがとうカイト。行ってくる。」

Aさんはそう言うと、現代へと帰っていった。

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