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「さぁ、どうするんだ?」
そう問われても、私が選んでいいものか、はっきりさせていいものなのかが分からずに混乱する。
DIOの手から解放された目で両者を見れば、祈るような目を向けている。
「………ごめんなさい…」
私には選べない。
そういう答えを出すのが1番悪い結果だ。だから私は、あえて選んだ。
「DIOさん、帰りましょう?皆さんが待っていてくれていますから…迷惑はかけられませんから」
そう、傍に立っていたDIOの手を握り、泣きそうなのを堪えつつ笑う。
「皆さん…良かったら今度、荒木荘に遊びに来てください。狭くて古い家ですけど、精一杯もてなしますから」
この豪邸に住んでいる4人にも、そう笑って言う。
もしかしたら、もう泣いてしまっていたかもしれないけど。
踵を返し、DIOと帰ろうとしたとき、後ろから承太郎の声が聞こえる。
「てめーはそれでいいのか?そんな顔して、そんな目をして言われても説得力なんかねぇぞ」
と。
なんだ、泣いてたの、バレてたじゃん……。
「これでいいんですよ……いえ、これがいいんです……。私が決めた事なので…………」
グスッグスッと、鼻をすする音が、やけに大きく聞こえる。
「それじゃあ…………遊びに来てくれるの待ってますね」
最後に、グチャグチャになった顔で精一杯の笑顔を作って見せ、帰路についた。
「急に居なくなったから心配したぞ」
「全くだ、肝が冷えた」
「だから僕は家で安静にしててって言ったんだ………」
「また居なくなったら、俺達はどうすればいいのだァ?」
「もう外出禁止にするからね?」
「結局俺のレースの活躍は見てないし」
家に帰れば、口々にそう言われる。
「まぁそう言ってやるな。私達と初流乃達、どっちと居たいかと迫られて私達を選んで帰ってきたんだ、それでいいだろう」
DIOはそうフォローしてくれたが、罪悪感でいっぱいだった。
みんなのことを明確に思い出せない情けなさに包まれ、なんだかボーっとしてフワフワした気分になった。
「すいません…………私、皆さんに迷惑を……」
そこまで言いかけた声は、
「迷惑じゃない、心配だよ」
と言う吉良の声に遮られた。
そう言った吉良に続き、みんなも頷く。
「迷惑だなんて……君は自分のことを悪く見すぎているよ。これは怒っているわけじゃあないんだ。ただ、みんな君のことが心配だったんだよ」
優しく響くプッチの声に、自然と涙が零れ落ちる。
「すいません…ありがとうございます……心配していただいて……」
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もやし。(プロフ) - オタクさん» コメントありがとうございます!そうなんですよね…周りに7部分かる人が少なくて、大統領推しがいないんですよ……高校受験!応援してますね! (2020年10月6日 19時) (レス) id: dd72e70a86 (このIDを非表示/違反報告)
オタク - ボスの推し四人共に私と一緒なんで嬉しかったです!特に大統領推しがいなくて(そもそもジョジョ知っている人が居ないんですが)高校受験なのでこれ見て頑張ろうと思いました! (2020年10月6日 0時) (レス) id: 5bcc3d1fdd (このIDを非表示/違反報告)
もやし。(プロフ) - 裕華さん» なんと!親近感!ありがとうございますwでも、結構前の絵なんで、今のとは若干違うかもです(((^_^;) (2016年6月24日 17時) (レス) id: 06cd7e30ba (このIDを非表示/違反報告)
裕華 - もやし。さんの絵が私の絵に似ていてなんか親近感わくww (2016年6月24日 17時) (レス) id: d6370e6be5 (このIDを非表示/違反報告)
もやし。(プロフ) - 令さん» 納得していただけて良かったです! (2016年4月5日 13時) (レス) id: 06cd7e30ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もやし。 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2016年2月26日 1時