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ずいぶんと着崩した学ランを着たその人は、私の様子を観察するようにしばらく見ると、ポケットから携帯を出して誰かに電話をし始めた。
「……仗助か、ああ、見つかったようだぜ。ジョルノとジジイが見つけて連れて帰ったようでな。少し様子がおかしいが、まぁ、帰ってくれば会えるだろうしな、早いとこ帰ってこい。
ああ、分かった。それじゃあ、ありがとな」
そう言って電話を切った後、ギロりとこちらを睨むその人。
「今まで何処に行ってやがった。どのくらいの人間がてめーを探し回ったと思ってんだ」
低く強く心に響く言葉に、1つ大きく鼓動が脈打つと、息が詰まったように苦しくなり、頭の中でドッ…ドッ…と大きく、音楽に重要な、リズムを取るベースのような重低音で響く。
もっとも、リズムはめちゃくちゃで、テンポが上がっていき、音楽を奏でようとすれば、走り去るようなものになってしまうのだけど。
私が…………私のせいで迷惑してる人がたくさんいるんだ……………荒木荘のみんなも……。
視線を俯かせれば、誰かの手がふわっと私の目を覆って視覚情報を奪う。
「あまりいじめないでくれるか?私の、可愛い同居人を…」
そう言う声は優しく、聞き覚えのある物だった。
「落ち着け、A。落ち着くんだ」
耳元で囁かれ、浅く早かった呼吸が、少しずつ、深くゆっくりとしたものに変わる。
「「DIO………ッ!」」
聞こえた声に、私のすぐそばに居るのはDIOだと分かった。
「なんでてめーがここに…………!」
さっきの、承太郎と呼ばれた人がそう声を荒らげる。
「知り合いのスタンドでな………Aを連れ戻しにきた。それでは理由にならないか?」
「ふざけんな、Aはずっと俺達と居たんだぜ?それがこの前居なくなっちまって……
まさかお前らのせいじゃあねぇよな?」
「私も、荒木荘にAが居なかった間、ここに居たのではないかと思っているのだが………」
DIOとジョセフが静かに、お互いに探り入れる。
「それじゃあ、Aが2人存在してるみたいじゃあないか………」
「ええ……それに、A本人は記憶がないと言っていましたし……
本人に決めてもらえばいいんじゃあないですか?僕達を選ぶか、パードレ達を選ぶか」
ジョルノと、ジョセフのおじいちゃんがそう言うと、
「さすが初流乃、いい提案だ」
とDIOが言う。
私が………選ぶ……自分で………?
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もやし。(プロフ) - オタクさん» コメントありがとうございます!そうなんですよね…周りに7部分かる人が少なくて、大統領推しがいないんですよ……高校受験!応援してますね! (2020年10月6日 19時) (レス) id: dd72e70a86 (このIDを非表示/違反報告)
オタク - ボスの推し四人共に私と一緒なんで嬉しかったです!特に大統領推しがいなくて(そもそもジョジョ知っている人が居ないんですが)高校受験なのでこれ見て頑張ろうと思いました! (2020年10月6日 0時) (レス) id: 5bcc3d1fdd (このIDを非表示/違反報告)
もやし。(プロフ) - 裕華さん» なんと!親近感!ありがとうございますwでも、結構前の絵なんで、今のとは若干違うかもです(((^_^;) (2016年6月24日 17時) (レス) id: 06cd7e30ba (このIDを非表示/違反報告)
裕華 - もやし。さんの絵が私の絵に似ていてなんか親近感わくww (2016年6月24日 17時) (レス) id: d6370e6be5 (このIDを非表示/違反報告)
もやし。(プロフ) - 令さん» 納得していただけて良かったです! (2016年4月5日 13時) (レス) id: 06cd7e30ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もやし。 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2016年2月26日 1時