【ジョジョ】存在しない女の子【荒木荘】

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門をくぐって庭を歩いて約1分｡やっと大きな玄関の前に着いた｡
ただ1分と聞くとそう長く感じないかもしれないが､敷地に入って玄関まで1分かかるとなると相当長く感じる｡
普通なら､半分の30秒もかからないのに1分もかかる｡それは長く感じるわけだ｡
古そうに見える大きな扉は､意外と大きな音を立てることもなく､すんなりと私達3人を迎え入れた｡

「あれ？Aじゃあないか！見つかったんだ！」
入るとすぐに､上からそんな声が聞こえる｡
上？と思って見上げれば､丸太のようにたくましい腕と足を持つ､ジョセフと同じくらいの身長の男の人が電球を変えていた｡
高い天井の照明の電球を脚立1つで､誰かに支えてもらうこともせず交換していて､怖くはないのかと思うが､
そこから見える自分達は､さぞ小さく見えることだろうと思い､自分の想像力を恨んだ｡

「またンなことしてると落ちて骨折するぜぇー？ってかおじいちゃん､右腕の骨折は大丈夫なのー？」
ジョセフが首が痛くなるほど上を見上げて言う｡
「あははっ…！大丈夫だよそんなの！ほら！この通り波紋で元通りさ！」
ジョセフに"おじいちゃん"と呼ばれたその人は腕をブンブンと振り回した｡

グラッ………と､巨漢の男が落ちてくる｡重さまある方が衝撃が大きい｡ただでさえ5mほどの高さから落ちてくるのに…………｡
彼が落ちてくる間､スローモーションかのように見えた｡そう､まさしく時が止まったように｡

「あ､れ………？あ､承太郎！助けてくれたんだね！ありがとう」
落ちてきていたはずの男の人が床にベタっと座っている｡
その人がそう視線を向け､礼を言う相手に､私も視線を向けた｡

「なんだ､見つかったみてぇだな」
ズカズカと私の目の前に来て､ジョセフ達と同じくらいの身長のその人は､私を見下ろしつつそう言う｡
学ランを着ているから高校生だろうか？かなり着崩してはいるけど｡

あと何人､この大きな豪邸ち住んでいて､何人出てくるんだろう…………｡

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