【ジョジョ】存在しない女の子【荒木荘】

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「大丈夫かね？」
駆け寄ってきた吉良が私の手を見れば､
「血が出てるじゃあないかッ！」
と､手を掴んで流しで傷口を洗おうとする｡

何故､私の手の怪我をそんな､世界が終わるというような形相で必死になっているのか｡
私には分からなかったが､傷が残らないようにしてくれてるのだなぁと思って片付けた｡


「っ…!?」
ふと気が付くと､吉良が居たはずのところにDIOが跪いており､指先をパクリと口の中に迎え入れ､くわえていた｡
更には､割れた茶碗の欠片は片付けられていて､吉良は居間の方で横たわっている｡

「っ…く､ああっ………！」
何より､滲み出る血を堪能するように動く舌のせいで､傷口がえぐられて痛い｡
言葉にならない声で悲痛を訴えるが､DIOは一向に止めなかった｡
むしろ､傷のできている指を揉み､血が出るように仕向けては傷口をえぐり続けている｡

「DIOさん……っ､やめてください……」
そんなに深い傷だったのか､舌でえぐられて開いてしまったのか､指先の小さな切り傷が､とても大きな激痛に感じる｡
DIOの肩を掴む手に加わる力が大きくなっていくものの､その他の筋肉からは力が抜けていく｡

血を吸われてるから､なのかな………｡
痛みで呼吸は乱れ､血を吸われて貧血になってきて､ふらっと､DIOの肩に倒れ込んだ｡

すると､やっと吸血は終わり､口から指を離された｡

「すまない……Aの血は格別なのでな…際限なしに求めてしまった」
過呼吸になり､ぼんやりと遠くを見つめる私の頬を､優しく大きな手で撫でるDIO｡

「何をしてくれるんだ､傷が残ったらどうする」
不機嫌そうに言う吉良の声が聞こえる｡
「そんなに心配せずとも大丈夫だ､唾液には殺菌効果があるらしいからな」
と返すDIOに､
「そうじゃない｡君が傷をえぐったことについて言っているんだ」
と余計不機嫌になる吉良｡

なんだろ､手についての執着が凄いというか………吉良さんって､手フェチなのかな…？

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