こっちを見てよ【短編集/黒名蘭世】 (ページ1)

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愛してるって言わせたいページ1

『…黒名』

kr「なんだなんだ、どうした」

練習試合終了後

桃色のくせっ毛髪と猫のような目を持ってる

少し汗をかいた俺の彼氏が振り返る

『…いや、やっぱりなんでもない』

kr「…む、そうか」

俺は黒名に、今、どうしても

愛してるって言われたい

だって試合中は別のやつらとも距離が近いのだ

多少の嫉妬はする

…でも場所が場所だ

周りに人もいる

…部屋に戻った時に言ってもらうのが妥当か

『ん、タオルとスポドリ…早くシャワー浴びてこい』

kr「助かる助かる。Aは来るか？」

『…いや、俺は……』

kr「汗でべたべただろ。行こう行こう」

『ぅ、あちょ』

彼に手を引かれた

人の話も聞かずに…こやつ……

まあ正直試合で疲れてたし汗かいてたからいいけど

kr「……A、嫉妬しているだろ」

『ぇ、あ、なんでわかって…』

kr「見てればわかるわかる。
　試合中ずっと虫が悪そうに歯ぎしりしてたからな」

『そぉ、か……あ？なん、え、見てたのか？』

kr「そりゃあ可愛い可愛い彼氏が俺の事ずっと見てたらな
　気にしない彼氏がどこにいる」

…マジか

無意識でずっと見てたのか俺

はっっっず

kr「A」

『は、はひっ』

いきなり声をかけられたものだから

変な声が出た

『…な、なに、』

kr「愛してるぞ。愛しくて愛しくて堪らない」

『なに、言っ、っは、！、？』

彼のその甘い声で耳元で囁かれた

その所為か脳に電流がびりびりと走る

黒名の甘い匂いとスポドリの香りが混ざって

変な感じになる

『ぁ、あぇ』

kr「ほら、一緒にシャワー行くぞ」

『…はひ、……』

黒名には敵わない