夢 ページ1
誰かが私に
体がどうしようもなく怠くて、抵抗をしようとも思わなかった。金縛りに近いのかもしれない。指先ひとつ動かすのも億劫だった。
真っ暗な部屋で、すっかり影に身を包んだ�爐修凌有瓩隆蕕聾�えない。
しかし、泣いているな、と。
何故だかそう思った。
啜り声や、涙が落ちてきた訳ではない。
私の首を握る両の手は震えていて、酷く冷たい。
「ごめんね」
その人は弱々しい声で告げると、私の首を勢いよく押し潰すように全体重を掛けた。
ドンと首に重い振動が伝わるその刹那、視界が暗転する。
ビクッと体が跳ねて、そこでやっと目が覚めた。
見知らぬ色のカーテンとシーツがぼやけた視界に広がる。
閉ざされたカーテンからは陽の光が漏れていて、薄暗い部屋に一直線を描いていた。
ふかふかの枕が左頬に当たって、あまりの心地良さに
深い
すると、鼻の下にカサブタのような塊がジャリッと潰れて手の甲を滑った。
どうやら鼻血が出ていたらしい。
もうすっかり血は止まっているが、人差し指の横腹に赤色が微かに伸びていた。
重たい体を起こすと、頭から熱い何かが下っていくような不快な感覚が腹部まで伝うと、無性に気持ち悪くなった。
硬い物に頭をぶつけた後のような、ボーンと低い振動が脳内に残る。
…熱だ。
体は熱いし、怠いし、頭も痛いし、気持ち悪い。
完璧な熱の症状だった。
「…どこ？」
見知らぬ部屋に、率直な疑問が静かに響いた。
立ち上がって家の主に声を掛けたかったが、今はすっかり体の怠さに負けてしまい、再びベッドへ潜り込む。
「誘拐だったらどうしよう」と一瞬脳裏に不安が過ったが、それよりも体調不良が勝った。一歩でも動いてしまえば、倒れる。もしくは吐く。確実に。
汗ばんだ肌に纏わり付いている服が不快で、掛け布団の内側から蹴り上げるようにして湿った熱を逃がす。涼しい風が入ってきて、少し心地よかった。
目を開けているだけでも頭に鈍痛が響いくのに耐えかねて、ゆっくりと瞼を閉じる。
なぜ私がここにいるのか、皆目見当もつかない。
前日のことは覚えていない。
___前日？
いや、そのずっと前のことも。
最後の記憶は、えっと…なんだったっけ。
熱を帯びた鈍い思考を、必死に巡らせる。
そうしていると、背を向けていたドアが開いた。
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松野星月(プロフ) - コメ失礼します！わー、心に来る。続きがますます気になりました！楽しみに待ってます！ (2023年5月4日 16時) (
レス) @page37 id: 7e5eb61c5c (このIDを非表示/違反報告)
ナミ - コメント失礼します！すごく面白かったです！質問なのですが,この作品は完結でいいのですか？内容的に途中だと思うのですが…もし,続きを書く予定があるのなら続きみたいです！更新頑張ってください(^^) (2023年3月21日 14時) (レス) id: cbde72f558 (このIDを非表示/違反報告)
のんのんた(プロフ) - 一般タコピーさん» 返信遅れてごめんなさい！コメントありがとうございますっっ！！身に余るお言葉ですがめっっっちゃくちゃ嬉しいです(/Д`;💕︎ 不定期になってしまいますが、更新頑張ります！- ̗̀( ˶^ᵕ'˶)b (2022年12月19日 13時) (レス) id: a4f760f5fa (このIDを非表示/違反報告)
一般タコピー - 神作品だ！作者様の文才が素晴らしくて一気に読んでしまいました！更新頑張ってください！ (2022年12月15日 18時) (レス) id: e79aa4edc0 (このIDを非表示/違反報告)
のんのんた(プロフ) - あさん» 嬉しいです！！ありがとうございます！私も好きです！！！(唐突) (2022年12月13日 17時) (レス) @page36 id: a4f760f5fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のんのんた | 作成日時：2021年10月4日 4時
