ステージの天才 (ページ2)

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見慣れない顔ページ2

(WZside)

次の活動の作業があるので、事務所へと足を運ぶ。

スケージュールが押したため、ダッシュで事務所へ駆け込んだ。

しかし作業室に入ると、ボムジュヒョンはまだ来ていないようだった。

ヒョンにどこにいるかメッセージで聞くと、レコーディング室にいると返ってきた。

なんでレコーディング室？

そう疑問に思ってると、追加のメッセージが。

［ウジや、お前ちょっとレコーディング室来て］

WZ「……ますますなんで？？？」

思わず声に出てしまった。

更に疑問が増えたが、ヒョンが呼んでるので行くことにした。

一体何があるんだ…？

エレベーターを降りて、件のレコーディング室の前に来た。

ガチャリとドアを開けると、そこに居たのはボムジュヒョンといつも作業してくれるヒョン。

そして録音ブースには、見慣れない顔の女の子が。

……外国人、？

BM「お、来たな」

WZ「なんです？呼びつけて…てか、あの子誰ですか？」

BM「…………天才だよ」

WZ「え？」

BM「まあちょっと歌聴いてみて！ミラ！通しで！」

ミラと呼ばれた女の子は俺の存在に気がつくと、一瞬目を見開いて軽く会釈し、はい！と返事した。

曲のイントロが流れる。

どこか懐かしさを感じる曲調。

1970年代くらいのロックミュージックがベースなのかな。

今のK-POPじゃ珍しい。

…めっちゃ良い。好きだな、この感じ。

そして次の瞬間、俺は頭を殴られたみたいな衝撃を受けることになる。

WZ「…………マジ、？」

原因は歌声。

いわゆるパワフルボイスの部類。

でもそれだけじゃない。

含まれるブレスの量、発声、発音、力の入り抜きその他諸々。

歌い出しだけで分かる。

WZ「スキルたっか……」

BM「驚いたろ？この子、昨年入ったばっかりなんだって。非公開練習生」

WZ「昨年…！？」

BM「そう。もう来年の2月にはデビューが決まってる。」

情報過多で頭が追いつかない。

再び歌っている彼女に目を移すと、楽しそうだった。

音楽が好きなんだと伝わる。

聴き入ってしまい、気がつけば曲が終わっていた。

BM「ミラお疲れ、いい感じだった！」

『ありがとうございます！』

BM「１回こっちおいで〜」

ヒョンが呼ぶと、ブースから出てくるミラという子。

『アンニョンハシムニカ、チェ・ミラです』

これが、俺とステージの天才・ミラとの出会いだった。