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船津稜雅は訳のわからないことを私に伝えて、ちょっとトイレ行ってくる、とキラキラした笑顔で教室を出て行ってしまった。
握られた手をボーッと見つめる。
あったかかったな。
私、船津稜雅に嫌われてないんだよね。
そう思ったら心がウキウキする自分がいて、慌てて緩んだ口元をきゅっと結んだ。
今の変な顔を見られていたらどうしよう、と思って辺りをきょろきょろ見渡す。
すると、私を睨んでる伊藤さんと目が合ってしまった。
伊藤さんの口が"しね"と動く。
よっぽど私に死んでほしいらしい。
けど、伊藤さん、私ね。
やっぱり船津稜雅と話せなくなるのは嫌みたいだ。
地味女のくせにプライドだけは一丁前に高い私は、その日の伊藤さんの呼び出しに逃げずに応じた。
伊藤さんの手が振り上がる。
殴られる、と思って咄嗟に両腕で顔を覆ったら、
私の身体目掛けて何かが飛んできた。
「……教科書?」
「返すわよ」
「ど、どうも」
「勘違いしないでよ。
あんた、教科書がないと稜雅に見せてもらうことになるでしょ?不快で吐きそうになるわ」
伊藤さんがチッと舌打ちをする。
理由なんて、なんだっていい。
教科書返してもらえてよかった。これで船津稜雅に借りをつくることも、なくなる。
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神楽*ヤデ(プロフ) - こすもさん» ありがとうございます( ´ ;ω; ` )更新頑張ります。 (2017年11月7日 8時) (レス) id: 58e94f9930 (このIDを非表示/違反報告)
神楽*ヤデ(プロフ) - まほさん» ああああ、嬉しいです。ありがとうございます( ´ ;ω; ` ) (2017年11月7日 8時) (レス) id: 58e94f9930 (このIDを非表示/違反報告)
こすも(プロフ) - いつの間にか、この小説が塾終わりの楽しみになってました!(笑)更新待ってます(^-^) (2017年11月6日 21時) (レス) id: 313d33003e (このIDを非表示/違反報告)
まほ(プロフ) - 最高です!私の推しの2人の話だし、変態な私には面白すぎます笑笑 (2017年11月6日 20時) (レス) id: 6346b04b3b (このIDを非表示/違反報告)
クソガキ推し - 先生がヒーローだったりして(笑) (2017年11月6日 18時) (レス) id: 537ffb3acd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神楽*ヤデ | 作成日時:2017年10月28日 11時