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佑亮くんと共に職員室へ向かう。
大きなダンボールが置いてあるのを見て、敵はこれだと直感する。
「これを二人で運ぶのは、
かなりキツイような…」
「僕もそう思う」
「……頑張ろう」
グダグダ言っていても仕方ないので、いっせーの、の合図で持ち上げる。
腰がビキビキっと鳴った気がしたが、気にしたら負けだ。
痛すぎる痛すぎる痛すぎる。
歩けてるから骨は折れていないと思うけど、ただの打撲でここまで痛いものなんだろうか。
死にそうになりながらもなんとか図書室に着いて、ふらふら〜と倒れこむ。
「ちょ、Aちゃん!?」
「この世の終わりが見える」
佑亮くんが駆け寄ってくる。
このままじゃバレてしまう。立て立つんだ立ち上がるんだ、私。
……とか言ってる場合じゃないことはもうわかっていた。
「やっぱ調子悪かったの!?」
「いや、違くて」
「へっ?」
「こ、腰が……」
セーラー服の裾を少しだけまくる。
今の状態を確認しようとしたら、いまいち自分ではどうなっているのかよく見えなかった。
「あ、Aちゃん……」
「私の腰どうなってる?」
「………む、むらさき」
紫色ならやっぱり打撲かな。
痛みがひどいのは、おそらく打ちどころの悪さのせいだろう。
「ありがとう佑亮くん。
実はさっき転んじゃって」
「………」
「佑亮くん?」
「………」
「おーい」
「………」
佑亮くんが動かない。
試しにもう一度名前を呼んでみるが応答がないので、肩をゆすろうと手を伸ばす。
けれどその手が肩に行くことはなく、代わりに佑亮くんに強く掴まれていた。
「なに、佑亮くん?」
「無防備、すぎだよ」
「なにが」
「……僕だって」
僕だって、と言った佑亮くんは、次の瞬間私を抱き寄せて。
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神楽*ヤデ(プロフ) - こすもさん» ありがとうございます( ´ ;ω; ` )更新頑張ります。 (2017年11月7日 8時) (レス) id: 58e94f9930 (このIDを非表示/違反報告)
神楽*ヤデ(プロフ) - まほさん» ああああ、嬉しいです。ありがとうございます( ´ ;ω; ` ) (2017年11月7日 8時) (レス) id: 58e94f9930 (このIDを非表示/違反報告)
こすも(プロフ) - いつの間にか、この小説が塾終わりの楽しみになってました!(笑)更新待ってます(^-^) (2017年11月6日 21時) (レス) id: 313d33003e (このIDを非表示/違反報告)
まほ(プロフ) - 最高です!私の推しの2人の話だし、変態な私には面白すぎます笑笑 (2017年11月6日 20時) (レス) id: 6346b04b3b (このIDを非表示/違反報告)
クソガキ推し - 先生がヒーローだったりして(笑) (2017年11月6日 18時) (レス) id: 537ffb3acd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神楽*ヤデ | 作成日時:2017年10月28日 11時