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次の日の朝、あれからいつの間にか眠りについていたようで

まだ慣れていない環境で重たい瞼をゆっくりと開いた。




一瞬、見慣れない景色に焦り寝起きでボケている脳が正気を取り戻したが、数秒後に


そもそも昨日初めて来た場所だ


と、今までの事をすべて思い出した。




取り敢えず自ら起きることは出来たが此処から先の行動に迷いが生じた。


部屋を出ても何処へ向えば良いか分からないし

宮治さんはあんな事を言っていたが、万が一私の勝手な行動で怒らせてしまったらたまったもんじゃない。



そんな事を考えていると、ガチャと扉の開く音がし、







「おはようさん」







扉の先には見覚えのある人物がいた。


だが、名前が思い出せない。

第一声で名前を尋ねるのは失礼なので記憶を探りながら挨拶を返した。






『......おはようございます』

「はは、その顔は誰か分からないみたいやな」






図星を付かれるとは思ってもいなかったのであからさまに肩をビクつかせてしまった。

目の前の彼は全て見透かしたように笑いながら再び口を開いた。






「そりゃ一気に覚えるなんて無茶やし気にせんでええよ。


俺は尾白アラン。

よろしゅう」


『あ、よろしくお願いします』






名前を教えるだけで無く変な気を使わせてしまって何だか申し訳なくなった。

そして、何よりも優しい人だと確信した。






「そんでな、起きてそうそう悪いんやけどちょっとついて来てくれへん?」

『?はい』






面目無いと言って眉を潜めたアランさんは私が扉へ辿り着くまでじっと待っていてくれた。

今までは先陣を切って進むような人ばかりだったので何だか不思議な新鮮さを覚えてしまう。



その後、廊下を数歩歩いたところでアランさんは思い出したように洗面所へ案内してくれて

使ってもいいタオルや見える位置にあるトイレの場所までご丁寧に教えてくれる。



なんて気の利く人なんだと思いながらペコペコとひたすら頭を下げた。

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モモ - はじめまして!おもしろいですね!更新日って決まってるんですか? (2019年2月13日 20時) (レス) id: 16d6600561 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺーとー(プロフ) - ルピさん» はじめまして!ご指摘ありがとうございます!数は7つありますが正確には"怠慢"ではなく"傲慢"ですので訂正させていただきます。今後このようなことが無いように気をつけたいと思います! (2019年1月5日 13時) (レス) id: 0c99728594 (このIDを非表示/違反報告)
siori(宿題おわた) - 待って、ちゃんと七個ですね。すみません (2019年1月5日 11時) (レス) id: 2047671264 (このIDを非表示/違反報告)
siori(宿題おわた) - ルピさん» あ、作者様ではないですが、七つの大罪って、八こになるはずなんですよ。ggってみてください。間違ってたらすみません!!! (2019年1月5日 11時) (レス) id: 2047671264 (このIDを非表示/違反報告)
ルピ - はじめまして!(*´ヮ`)ノ この作品大好きです!いきなりですが24の北さんのセリフで七つの大罪の説明をする時〜怠惰、怠慢と8つになっちゃってます。分かりずらかったらごめんなさい! (2019年1月5日 7時) (レス) id: 30b6ed0508 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こんぺーとー | 作成日時:2018年12月29日 0時

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