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河村side
その後、終業時間間際に予定の仕事は全て終了。
ここ最近の忙しさもとりあえず一段落ということで、ちょうど居合わせたメンバーでオフィスで飲むことになった。
Aちゃんはにこにこしながら｢じゃあおつまみ用意しますね！｣なんて言って、彼女はどこまで他人を優先させるのだろうと少し心配になる。
A｢河村さん、お疲れ様です｣
河村｢…ん、ああ。ありがとう｣
乾杯前に缶ビールを渡しに来てくれたAちゃんの眉は少しだけ下がっていて。
ああ、おそらく僕の疲労やらなんやらを心配してくれているのだろうな。
今の自分には無垢すぎる視線を誤魔化すようにその頭を撫でて、よく冷えた缶のプルタブを開けた。
久方ぶりの宴会となれば、当たり前に場も盛り上がる。
オフィスのあちこちにいくつかグループができて笑い声が響き、宴もたけなわ、と言ったところで、ソファでぼんやりしている想い人を見つけた。
河村｢Aちゃん｣
A｢…ん、あ、かわむらさんだぁ｣
河村｢お疲れ様、おつまみとかありがとうね｣
A｢ふふ、かぁむらさんここ、ここきてください｣
どうやら彼女も飲んでいるようで、頬が赤くなって可愛らしい。その瞳は、僕を映してふにゃりと緩む。
視界の端で伊沢がこちらをちらりと見るのが見えた。
河村｢どのくらい飲んだの？これ全部？｣
A｢んーん、これは伊沢さんの｣
彼女の前のテーブルに載っていた3つの空き缶を指すと、1番度数の強いものはそうではないと否定する。
それはさっきまで2人が隣同士で飲んでいたということで、昼間のあの感情が再び燻ってくる。
河村｢…そっか｣
A｢ふふ、かわむらさん〜｣
普段より舌っ足らずな彼女は、僕の名を呼びつつ少し空いていた距離を詰めてくる。
親しい人の前で酔うといつもよりパーソナルスペースが狭くなるというのは、割と最近知ったこと。
河村｢少し酔ってるね、大丈夫？｣
A｢大丈夫です、ちょっとねむいけど｣
河村｢眠いのね…笑今日はもう帰りな、タクシー呼んであげるから｣
A｢え〜…やだ、かわむらさんと喋るの｣
河村｢じゃあ一緒にタクシー乗るから、ね？もう夜遅いし｣
A｢ん〜…じゃあかえる｣
河村｢ん、いい子。福良〜、ちょっとタクシー頼む｣
福良｢あ、Aちゃん帰る？わかった〜｣
くぁ、と欠伸をする彼女の頭を撫でると、心地良さそうに目を細める姿はやっぱり愛おしい。
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ふかさ - お姉さまお知らせありがとうございます。更新を待っている内に色々あり全然読めていなかったのですが、このお話（秘蔵っ子ちゃんシリーズ）が大好きで約1年ぶりに読みにきたので今更になってしまいました。ゆきみ。さんの書くお話が大好きです。ご冥福をお祈りします。 (2023年4月12日 23時) (
レス) @page13 id: d761253360 (このIDを非表示/違反報告)
猫さくらもち - そんな、、、この物語は私も心を大きく動かされた作品です。精神的にも悲しく、辛い中、お姉さまも伝えてくださりありがとうございます。どうか、ゆきみ。様のご冥福をお祈りします。 (2022年7月23日 8時) (レス) id: f692ce80b7 (このIDを非表示/違反報告)
アリアッテ(プロフ) - 素敵な方だったからこそこんなにも素敵な物語が書けたのだと思います。この作品に出会えて、ゆきみ。さんに出会えて幸せです。お姉様も心を大きく動かすような出来事で心身共にお疲れになっているであろう中、ご報告をありがとうございました。ご冥福をお祈りします。 (2022年7月20日 22時) (レス) @page14 id: 3aa37d57cc (このIDを非表示/違反報告)
さっちい(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございました。と、妹さんにお伝えください。もっと読みたかったなぁ、と思うので過去作品をまた全部読み返そうかと思います。ご冥福をお祈りします。お姉様、無理をなさらず。 (2022年7月11日 6時) (レス) @page14 id: 9d4614c4da (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - とても家族思いで優しい妹さんだったんですね。お姉様からの文章からとても伝わって来ました。ご冥福をお祈りします。長文失礼しました… (2022年7月11日 1時) (レス) @page14 id: 8c9909d177 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきみ。 | 作成日時：2021年8月14日 17時
