居場所 ページ41
河村side
河村｢…こうちゃん、頭だけじゃなくて手も動かしなよ｣
こう｢！、はい…笑｣
扉の方を見つめて手が止まっているいるこうちゃんにそう声をかけると、肩を震わせて振り返った。その顔はきまり悪そうに苦笑している。
今日は朝からどことなく会社の空気がソワソワしている。
まあ無理もないか、今日は彼女が復帰する日。
さっき乾から今から一緒に向かうとの連絡が入ったらしく、メンバーの落ち着かなさは一層顕著になっていて。
山本｢なんか、緊張するね笑｣
こう｢初対面の時思い出すな〜って思ってました｣
須貝｢あん時のこうちゃんもめちゃくちゃソワソワしてたもんな笑｣
伊沢｢確かその時は福良さんに手動かせって言われてたよな笑｣
こう｢それはしょうがないでしょ！｣
山本｢『なるべく優しく話しかけよう…』とか言ってたよね笑｣
こう｢山本さんだって『僕ちゃんと話せるかな…』って言ってたの俺忘れてないですからね？！｣
こうちゃんと山本がやいのやいのし始めて、須貝さんと伊沢がそれに野次を飛ばして、福良が笑ってる。
この2週間どことなく寂しげだった空気が久々に元に戻っているのを感じた。
彼女はやっぱりすごいな、なんて、あの柔らかな笑顔を思い出してふと笑う。
その時扉が開いて、乾がひょこりと顔を出し、その後ろから僕らの待ちわびた陽だまりがおずおずと顔を覗かせた。
乾｢お疲れ様です｣
A｢…お疲れ様です、お久しぶりです｣
乾｢んふふ、なんでそんな後ろにいんの？笑｣
A｢だって緊張する…！｣
伊沢｢Aちゃん｣
伊沢が真っ先にその名を呼んで、皆も彼女を見て笑う。彼女に向かう視線の全てが優しく暖かくて、自分のそれもきっとそうなんだろう、とどこか他人行儀に思ったりして。
A｢…あ、だめだ、｣
ぽつりとそう呟いた彼女の瞳から、ぽろりと涙がこぼれた。
目を見開いた乾が慌ててその顔を覗き込む。
乾｢どした、？やっぱまだしんどい？｣
A｢ちが、ちがくて、っ｣
どうしよ、と困ったように泣き笑いを浮かべるAちゃんは乾の陰に再び隠れようとして、なんでよ、なんて乾が笑ってわちゃわちゃする。
福良｢んふふ。大丈夫だよ、ゆっくりで｣
A｢…なんか、みんなの顔見たら安心して、っ｣
その言葉に、今度はこっちが安心する方だった。
伊沢がそっとため息をついたのが聞こえた。
それは心からの安堵で。
よかったね、社長。なんて思いつつ自分の口角も緩んだ。
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イトタク - 初めまして、私は、izwさんとのハッピーエンドがいいです。小説、すごくいいです。更新、楽しみにしています。ゆっくりでいいです。 (2021年8月15日 22時) (
レス) id: e586254f05 (このIDを非表示/違反報告)
満月(プロフ) - 初めまして！作者様が大変になり、途中で挫折してしまわれるくらいならiniさんで。もし、可能でしたら全員分読めたら…嬉しいです。 (2021年8月13日 21時) (レス) id: 3f82b6a714 (このIDを非表示/違反報告)
kk - 初めまして。この作品本当にキュンキュンしながら読ませていただいてます。私はiniさんエンドが見たいです！更新楽しみにしてます！頑張ってください♪ (2021年8月11日 0時) (レス) id: 9f03f88fd9 (このIDを非表示/違反報告)
のどか(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく拝読しております！！sgiさんエンド希望です！！続きの更新も楽しみにしています！ (2021年8月10日 23時) (レス) id: 651585f874 (このIDを非表示/違反報告)
め - sgiさんがいいです！ (2021年8月9日 15時) (レス) id: 2dc5815af2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきみ。 | 作成日時：2021年1月9日 18時
